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「落語」の解釈と表現ワークショップ

2012-07-15
知人の落語家・金原亭馬治さんが講師を務める「落語から学ぶクリエイティブのヒント」と題したワークショップに参加。多方面のクリエイターさんたちが、落語から何を学びどのように表現するか、実に興味深い企画であった。暑い陽射しが照りつける中、やや場違いな雰囲気の馬治さんと僕は、若い女の子が闊歩する原宿駅から竹下通りを、明治通りに向かい汗だくとなって抜け出た。

馬治さんの「落語とは?」という解説からワークショップが開始される。「落語は聴衆が座布団に正座をし、扇子と手拭のみで演じるシンプルな話芸。聴衆の方々がいかに想像してくれるかが大切」という下りから、扇子を使った所作・手の使い方などの基本について、わかりやすい解説が展開した。そして、いよいよこの日の一席、廓噺「お見立て」が始まった。

一席を聞いた後に、参加者が三班に分かれて約1時間で、その落語を画用紙5枚に表現して行く作業へ。表現の仕方に制約はなく、絵やイラストでもことばでも分析でもよし。各班には様々な分野のクリエイターさんがいたが、僕もその一班に参加させてもらった。僕の班は、話の要点を「起承転結+α」に整理し、それぞれの典型的な場面をイラスト化していく方針で作業が進んだ。イラストを得意とする女性が原画を書いてくれて、それに場面の動きを感じさせる台詞の吹き出しや、場面の移り変わりが表現できる“動き”を付加して行った。概ね構想が現物化してイラストに着色しているうちに、集中した1時間は瞬く間に過ぎて行った。

1時間の後に各班プレゼン。最初となった僕の班は、落語の全体像を振り返りながら、その特徴を浮き彫りにすることに成功した。また2班目のプレゼンでは、登場人物の性格分析が詳細に話し合われ、キャッチコピーを専門とする方々らしいことばによる咀嚼が秀逸であった。3班目は、落語の裏を読む発想のプレゼン。「お見立て」に登場する花魁・喜瀬川は、実は既に死んでいて幽霊なのであるという立場を、落語の各所から根拠を探り出していく内容。各班とも、クリエイターさんたちのプレゼン力も抜群で、実に楽しめる発表の連続であった。

噺を享受してそこで終わらない。自らの享受を“表現”へと昇華させていく。そこに更なる奥深い落語の楽しみ方が発見できたように思う。何事も「理解から表現へ」という過程にこそ、その芸術表現を存分に鑑賞する要素が浮き立つことを再認識した。「落語は過剰な説明をしてはいけない。聴衆の受け取り方に委ねて尊重する。」という馬治さんのことばは、教育現場の学習活動にも通ずることが確認できた。(昨日の小欄の話題に通ずる)

それにしても落語は面白い。
「内容を察する」という日本文化の特徴を話芸として樹立した口承芸術。
改めて、自らも次のネタ仕込みに励もうかと思う。
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