遺伝子の“物語的”解析
2012-07-08
昨年来、この時季になると母の故郷を訪ねている。両親と伯母4人という顔ぶれで、一路乗用車は関越自動車道を北上。祖父母の墓参と母の親戚の家を訪問するのが主たる目的である。また同時に、幼少時にその町でともに育った母と伯母の話を聴くことに、大変意義深いものがあるのではないかと思うようになった。その話の中に登場する、祖父母の性格やエピソード、また母や伯母の幼少時からの行動を改めて具に知ることで、自己理解の一助になる材料が散見されることを意識したからである。それは、科学的な「遺伝子解析」ほどの精緻で数値的な内容ではもちろんない。ただ、祖父母の生きた“物語”を知ることで、自己の無意識下における発想癖や行状と、不思議にも一致したりするという発見があるということである。それは良い面もあれば、悪い面であることもあり、自分の中で改善しようとしてきたことの根源が、こうした“遺伝子”に拠るものであったと、ふと発見した瞬間には、思わず微笑みや苦笑いが浮かぶことも多い。
自分がどんな“歴史”を背負ってこの世に存在しているか。大袈裟にいえば、そんなことを辿っておくことに無頓着であってはならないと思う。都市生活者として、こうした親戚の人々との繋がりが希薄化した中にあって、辿ることが可能ならば、自分の“無意識以前”の過去を冒険してみるものいい。そこには生の歴史があり、なぜ自分が生まれて来たのかを微細ながら知る契機となる。
宮大工だった祖父が建てた神社に参拝する感慨。
中越地震にも耐えたその社の偉大さ。
他の多くの方々が、願いを込めて参拝する姿を見て、
改めてライフワークとは何かなどと想いを彷徨させる。
人の人とのコミュニケーションを語るなら、
まずは何より
家族・親戚との交流を大切にしなくて何をかいわんや。
深夜まで続く語りの中に、そんな思いをかぶせて・・・。
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