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学生が朗読表現へ挑む1カ月

2012-06-23
早稲田大学教育学部での担当科目「授業に活かす朗読講座」では、毎年、その授業成果の集大成として、履修生による発表会を開催している。受講者は、教職志望の学生が多いが、もちろん内容的な関心から履修している者もいる。音声による表現が何を成し得るか、といった基本的な点に興味を抱き、聴衆の前で自己表現に挑む体験というのは、それだけで貴重なものであるといえる。学問的な知識を吸収することも学生時代には必須であろうが、同時に自己の思考を披歴し一定の批評に曝される経験が、どうしても必要であろう。自己表現により様々な視点から思考の練磨が為されると思うがゆえである。

発表会まで1カ月となったこの日、発表会に向けての班分けを実施した。「近現代文学」・「読み聞かせ」・「古典散文」の3つのカテゴリーで希望を尊重し、概ね3班を編成する。その班内で、題材をどうするかという話し合いから出発する。今回は、近現代文学では、芥川龍之介『杜子春』を扱うことになっていた。芥川生誕120年という節目の年であることと、児童文学または中学校程度の教材として、『杜子春』をどう読んで表現するかを改めて考えたかったからである。

読み聞かせに関しては、まさに白紙からの題材選びとなる。構成メンバーの人数や顔ぶれによって、どのような作品選定をしていくか。授業の読み聞かせの回では、ゲスト(春口あいさん・下舘直樹さん)をお迎えして、「絵本語り」ライブを学生には体感してもらった。その体験をどのように自分たちの「読み聞かせ」作品として活かしていくかという点にも非常に興味が湧く。

古典散文は毎年、群読に取り組みやすいという理由から『平家物語』を題材としている。しかし、今回は『平家』に決めつけず、あくまで古典散文という広い範囲から、どのような朗読表現が可能かを考えるようにした。この班に所属した学生たちは、様々な角度から模索を繰り返し、新たな作品の組み合わせを目指そうとする方向性を得たようだ。

これから毎週金曜日の授業での練習を繰り返し、発表会までの1カ月が進んでいく。発表そのものが集大成であるのはいうまでもないが、作品を創り出していく過程にこそ、大きな意義がある。将来、教壇に立つであろう学生たちが、その教育現場で「朗読表現」を学習に導入しようとした時、自らにその「表現経験」があるかないかは雲泥の差である。しかも、授業という閉鎖的な空間ではなく、“公開”による発表会を実施する意義は非常に大きいと毎年、実感している。

小欄でも、これからの過程をでき得る限りレポートしていくつもりである。ぜひ興味をお持ちの方々は、発表会にご来場いただきたくお願い申し上げる次第である。


「朗読実践への提案in早稲田2012」
(早稲田大学国語教育学会研究部会「朗読の理論と実践の会」主催)
日時:2012年7月21日(土)13:00~16:00(予定)
場所:早稲田大学16号館106教室
(*一般公開ですので、どなたでも来聴できます。)
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