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「うまみ」に続け―「あはれ」も世界に

2012-06-15
ちょっとした契機に友達となったある酒蔵の社長の情報によって、佐賀県の蔵元が20件ほど一堂に会したイベント「佐賀の日本酒を楽しむ会」(於:目黒・八芳園)に出席した。日本酒というと北国で作られるイメージが強かったが、昨今は西の各県でも多くの蔵元が磨きをかけた日本酒を醸造している。山田錦という酒米を原材料にして、まさに「うまみ」のある酒が多数出品されていた。

佐賀県酒造組合では、海外へ日本酒を売り込むことにも積極的だ。とりわけ友達である蔵元の社長は、常々世界の様々な場所へと飛んでいる。その積極性と意気込みには頭が下がるほどである。単に日本酒の蔵元として経営するのみならず、その味を“文化”として世界に発信しているのである。まさに「うまみ」ということばが、世界共通語になるべく努力を重ねている人々がいる。

「Cool JAPAN」なものとして、「さむらい」「かんじ」「じゅうどう」「からおけ」などを始めとして、自動車・電気製品からアニメに至るまで、これまでも世界的に魅力を拡大してきた分野は多い。だが、自動車・電気製品に関しては斜陽傾向が否めず、改めて日本文化が世界の中で誇れるものは何であるかが問われ始めているといってよい。

日本酒の洗練された「うまみ」を世界に。この文化発信の姿勢には、古典文学研究分野も学ばなければならないと感じる。日本文化のどんな点がどのように魅力的で、世界に発信できるのか。その“魅せ方”が問われている時代である。当の日本人でも忘れかけている、「あはれ」「をかし」の美的観念を世界的視野で発信すべきではないかと痛感する。その端緒として、大震災に見舞われても秩序を重んじ、ひたすら復興に向かおうとする日本人の姿が、海外から評価されたことも考えるべきだろう。時の「うつろひ」を「あはれ」と捉える時間意識を、どのように世界に発信するか。「あはれ」が「うまみ」に負けないように努力を惜しまない覚悟が必要だ。

それにしても、繊細な味の酒を数多く堪能できた。
こうした機会に巡り会える契機となった社長に感謝である。
夏には九州行脚の旅を予定している。
その際には、蔵元を訪問する約束を取り交わしてきた。
蔵元は機を改めて小欄でも紹介することにしよう。
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