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「絵本語り」授業ゲスト・春口あいさんと下舘直樹さん

2012-06-02
「授業に活かす朗読講座」も前期の折り返し地点。「読み聞かせ」を考える2回シリーズに入った。例年は、参考文献や僕自身の体験に基づいた「読み聞かせ」の基本的な考え方を紹介した上で、いくつかの絵本を提示して学生を班分けして読み聞かせを実施していた。ところが、今回は、「絵本語り行脚」で東北地方を巡っている、春口あいさんと下舘直樹さんをゲストとしてお迎えし、その実演を行っていただいた。

最初に、あいさんの絵本語り「空飛ぶライオン」(佐野洋子・作)。
直樹さんのギター演奏をバックに、ライオンのコミカルな世界が表現された。
OHCを使用して絵本を教室スクリーンに投影。
絵本のページを、1つずつ繰りながらまさに「読み聞かせ」を意識した実演が披露された。

その後、「きつつき」のアクティビティー。
全員が起立し基本型の「きつつき」の踊りに、いくつかの動きを付加して行く。
「風が横切る」サッ!
「驚く」ワッ!
「安心する」ホッ!
「スぺシウム光線」シュワッチュ!
童心に帰り自分を捨て去る時間。
最後は、直樹さんのハイスピード演奏に合わせて。
その速度に付いて行く為に、みんなの表情にも笑顔が浮かぶ。
これでファンタジー世界に入り込む素地ができた。

ここで東北絵本語り行脚のVTR紹介。
釜石市・いわき市などの老人ホームや保育園での微笑ましい絵本語りの映像が、
教室に流された。
中でも、絵本語りを見て「お話」を吸収した子供たちが、その後に「表現したくなる」
という状況には、実に考えさせられる点が見て取れた。

学生からいくつかの質問も出された。
絵本語りとギター演奏の融合具合はどうしているのか?
絵本語りの時に表情豊かであるが、どんなことを意識しているか?
演じることと朗読することの違いは何か?
今までの最高傑作はどんな絵本語りか?
等々。
あいさんの受け答えの中で、特に
「自分を俯瞰する姿勢」と
「息を吸い込んだ時に表現は始まっている」
という点が印象的であった。
一方的にならず、相手の心の内に絵本の世界を映し出す語りにすべく
あいさんの「受信―発信」においてバランスのとれた姿勢に学生も肯いていた。

また、直樹さんのギター演奏や作曲への姿勢も秀逸。
「自分が前面に出ない曲を意識する」
「メインでなく中間的なコードを多用する」
などのことばに、有名どころのサポートギターにも起用されてきた
直樹さんの演奏家としての実力を見た気がする。


そして、このお二人の絵本語りの真骨頂「リトルツリー」(葉詳明・作)
あいさんが身体全てで受け止めた絵本世界が、
表情豊かに語り出される。
絵本としての秀逸さを、
存分に味わわせてくれる語り。
もはや絵本自体の投影はいらない。
絵本そのものが「絵本語り」という異次元の作品として“樹立”した瞬間の連続。


授業の最後に、直樹さん作曲の「永久の満月」をみんなで歌う。

「しあわせは、
 みんなとここで集う時
 愛が溢れて
 永久の満月」

「つきすき!(月好き)」


授業には、様々な学びがあってよい。
理屈に偏ることなく、
絵本語りとともに東北を巡っている姿を受け止めて
気付くことは多い。

多くの学生が、この出逢いから
「生きる何か」を感じ取ってもらえれば、
コーディネートした立場として
これ以上嬉しいことはない。

まさに、授業とは“出逢い”の場にほかならない。
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