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ニュートラルを保つこと

2012-04-12
MLBへと活躍の舞台を移した日本野球界のエース・ダルビッシュが、先日初登板した。立ち上がりから制球の定まらない投球で序盤計5失点を記し、本人もまったく納得がいかなかったと様子だと報道されている。片や対戦相手となったイチローは3安打、見事に先輩MLBスーパースター選手としての貫録を見せた。「緊張」-「熟練」といった図式で片づけるのは簡単だが、この両者の出した結果の違いには、何らかの意味があるのではないかと考えた。ちなみに強力打線に援護された結果、ダルビッシュは初勝利を手にしている。

MLBの初舞台で、自分の力を存分に発揮できるか否か。そこには様々な精神的作用があると想像できる。良いイメージを作れば作るほど、身体的な力みを産み出し、打たれまいとする気持ちが、逆に精緻な制球に影響を及ぼす。対戦相手にイチロー・川﨑(この試合1安打1四球)という日本代表時のチームメイトがいたことも、少なからず影響を与えたであろう。スポーツであれば当然のことであるが、相手の存在により自分をニュートラルな状態に保ち得なくなったことが、ダルビッシュの立ち上がりの投球に現れたのではないだろうか。

「ニュートラル」『新明解国語辞典』によれば、「対立する二者のどちらにも属さ(味方し)ない様子だ。」とある。討論などにおける立場について解釈した内容である。もちろん、「自動車の伝動装置」で「エンジンの回転が車輪に伝わらない状態」ともある。このような状態を保つのは、簡単なようでなかなか難しい。だが、自動車で考えれば即座に理解できるように、ニュートラルな状態は必須であり、常に何らかの動力が伝達していれば、周囲を省みずに暴走する自動車と化してしまうだろう。

人は期待があればあるほど、物事に対して構え、硬直し、偏向し、余裕を失い、人との関係性よりも自己の思い込みをもって行動してしまう。100%の力を出し切るには、実は70%程度の力の入れ具合が適切であるという運動上の話をよく耳にすることがある。それは伝動をしないわけではなく、30%の余白が力を引き立てているとも解釈できるだろう。いわば“ギア”によって伝える力と、ニュートラルな状態の融合があってこそ、最大の力を発揮することができるのである。ゆえに「精一杯頑張りました」は、実は結果が伴わない時に吐き出すことばであることも多い。

経験を積めば積むほど、このニュートラルの使い方が熟達する。
構えて硬直していては、相手の真実はわからない。

過剰な期待を抱かない自然な構えでいることこそ、
予想以上の期待に出会う可能性が身体性において宿り始める。

意識的にニュートラルを保ち得る人でありたい。
その位置からならば、どのギアにも即座に入れることができるのであるから。
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    MLBへと活躍の舞台を移した日本野球界のエース・ダルビッシュが、先日初登板した。立ち上がりから制球の定まらない投球で序盤計5失点を記し、本人もまったく納得がいかなかったと様
[2012/04/12 06:45]
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