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幸福の尺度

2012-01-16
 「病室に彼女といるだけでも幸せで」

昨年暮れに享年31歳で亡くなった各務泰樹(かくむ たいき)さんのことばである。彼は、2007年に「シェアノサイト」という不動産情報サイトを設立し、日本のシェアハウス普及の一端を担った人物だったという。朝日新聞1月7日付「be on Sunday」4面に載った記事を改めて古新聞の山から掘り出して読み直した。この記事を知ったのは、知人のFBでのシェアから。そのコメント欄を含めて、“幸福の尺度”とは何かを深く考えた。

各務さんは、血液系のがんが再発し入院治療を続けていた際に、付き合っている彼女がいた。「介護が必要で、治療中にたぶん子供を作れない体になった僕にとって、結婚は現実的でなく、彼女には一緒にいられることの感謝を伝えることしかできません。もう恋人というよりは、最も大切な家族なんですよ。」という家族観・結婚観を亡くなる少し前に病床で語ったと記事は伝える。厳しい治療が続く中で、「愚痴だらけだった僕を彼女は受けいれ、看護までしてくれた。」といい、彼女も「徹夜するほどの激務の時さえ、15分でも毎日病室に来てくれた。」ので、「その時間に愛情も信頼関係も深まって」と実感した。その関係を、各務さんは、「本来、何十年も連れ合った後みたいな関係が先に来て、申し訳ないのですけどね。」とことばにした。

各務さんは、「未来社会で人と人の関係がどう変わるかを考えることが好き」で事業を始めたが、「社会って起業した時のイメージよりもずっと直接的なつながりでできていることです。」と自らの体験から語る。それだけに、「友達からもらった手紙や2年前から記しているノートを読み直しながら、周囲との関係に思いをはせているのですが、すると不思議に、いま幸せなんですよ。」というように、人とのつながりに幸福を見出す。「病院のがん入院患者も、絵に描いたような希望なんてない中でも、それぞれ周囲との関係から幸せへの道はまだつながっているようで。」という幸福の尺度を語ったとし、「僕も結婚はしていないし体はきついけど、彼女が病室に来てくれるだけでも幸福で」と、身につまされる言葉を遺している。

記事の要略は以上である。


果たして人にとって「幸福の尺度」とは、何であろうか?
各務さんと彼女のような状況に、自らがなった場合に「幸福」を感じられるだろうか。
誰しも有限な命であるにも関わらず、「愛情」や「幸せ」に対してあまりにも無頓着ではないだろうか。

「互いに要介護になってから、急に仲良くなった僕の祖父母のようで。」という各務さんのことばにおいても、日本における夫婦関係の側面が垣間見える。
記事が掲載された朝日新聞コラム欄の名称は「結婚未満」である。


「幸福とは何か?」

今一度、いや、常に真摯に向き合うべき意識であると各務さんのことばに学ぶ。
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