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知名度と人柄

2011-12-22
 先日の小欄に王貞治氏について記した。小生が少年時代、試合後の疲れた中でも、嫌な顔一つせずに握手をしてくれたことが印象深かったという内容だ。こうした体験が物語るように、憧れの野球選手とできれば直接会いたいという思いは今でも継続している。それゆえに、米国のボールパークやスプリングトレーニングにも、しばしば足を運んでいる。自分にとっての第二言語である英語で接する印象だからかもしれないが、往々にしてメジャーリーガーはファンを大切にしてくれる。それに比して、日本のプロ野球選手は、冒頭に書いた王貞治氏のようなありがたい態度ばかりではなく、時にファンに対してがっかりするような態度をとる場合も少なくない。にもかかわらず、インタビューなどでは満面の笑みを浮かべているのを見ると、果たしてその選手の人柄は何なのかと疑念が強まるばかりである。基本的に社会的知名度と人柄の関係は、切り離して考えなければならないと心に決めている一つの理由がこれである。


 暫くご無沙汰していた馴染みの店に、年末の挨拶がてら顔を出した。すると先月、芝居を見せてもらった声優のTARAKOさんの誕生会が行われていた。ほぼ貸切状態であったが、“馴染み”をいいことにカウンターの隅の席を空けてもらった。するとTARAKOさんがすぐ後ろのテーブル席にいらして、「先日はお芝居にいらしていただいて、ありがとうございました。内容はどうでしたか?」と声を掛けてくれた。紛れもなく“まる子ちゃん”の声である。彼女は、声優としての声と普段の声に殆ど変化がない。やや不思議な気分になりながら、小欄にも感想(11月28日付)を記したことや、その要点を簡潔に申し上げて、自分なりの生き方の中で共感できた芝居であったことを伝えた。すると彼女は、心から「よかった~!ありがとうございました。」と小生の反応を深く受け止めてくれるような表情で言葉を発した。

 その後、暫くして誕生日ケーキが切り分けられたのだが、その際には小生までも御相伴にあずかった。カウンターの隅でしばし一人酒を楽しみながら、背後から聞こえてくる楽しそうな会話に自分も励まされた思いである。夜も更け始めると、誕生会もお開きの様相。帰り際にTARAKOさんは、再び「騒いじゃってすいません」とご丁寧な挨拶をしてくれたので、「こちらこそお邪魔してすいません。ケーキまでいただいて光栄です。」と返答した。その後、彼女は家路についた。

 たぶん、世間で彼女の声を知らない人は少ないに違いない。その知名度を考える時、見ず知らずの一介の客に対して、これほど謙虚で丁寧な言葉を掛けてくれる人柄の高尚さに対して感激せずにはいられなかった。“ちびまる子ちゃん”の持つ素朴な表裏のない人物像は、“あの声”の純朴さと温かみによって支えられていることを改めて悟った。



 冬至前夜の街並みは、夜が更け行くとともに寒さを増していた。帰路を歩きながら、改めて自分自身にも言い聞かせる。

「どのような方に対しても敬意と謙虚さをもって接しなければならない」ということを。

お店に何枚か提供されていた“ちびまる子ちゃんカレンダー”を1本いただき、帰宅して開いてみると、やはり純粋なあの笑顔。そのアニメの奥から温かい言葉が聞こえてくるようであった。

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