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漢字文化の力

2011-09-26
 たとえばTwitterが全てローマ字表記に統一されたらどうなるだろうか?140文字という限定された字数の中で、日本語の一音一音を母音と子音の組み合わせで表記していく文字を使用すれば、現在のように多数の情報を一投稿で表現できないことになる。第一書く側はキーボードに打ち込んだままであるとしても、読む側は甚だ苦心するに違いない。音律的に表現された“ローマ字”に対して、一度音声的に再現してから意味を取らなければならないからだ。

 無意識のうちに我々は「漢字文化の力」の恩恵を受けている。英語を始めとする欧米言語では、Twitterへの一投稿情報量が圧倒的に少ない。裏を返せば漢字による一文字における意味の含有量が圧倒的に多いということだ。小学生の時から、漢字を学ぶことに苦心する過程があるのと引き換えに、大変有効な文字文化を我々は身に付けているということになる。

 そんな漢字文化圏での文学を考える研究学会に2日間参加した。30周年を迎えるこの学会の方向性は、自己の研究課題と一致している。“漢字文化圏”の中にある日本という意識で、文学・言語・文化を捉えていかなければならない。その比較・相対化のなかにこそ日本文学の実相が見えてくるのである。

 研究大会シンポジウムの内容を聴きながら、自己の過去30年を振り返り時間を重ね合せてみた。恩師が創設に関わっていたということもあり、この学会の歴史を回顧することは感慨深いものがあった。改めて今年を機に、31年目からの自分の研究が進むべき方向性を見定めた思いがした。


 我々が日常的に使用する“漢字”の力。

 今以上にその恩恵を意識して使用してもいいはずだ。
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