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創造性は学ぶことができる

2011-06-20
19日(日)NHKEテレ「スタンフォード白熱教室」の最終回。なぜか毎回この番組を観ていると、ついつい感激して目頭が熱くなる。物語やドラマでもないドキュメンタリーであるにも関わらずだ。最終回もそれに違わず感慨深く、学生たちとティナ教授が絶妙なまとめを見せてくれた。

 この8回に限定された起業家育成コースの授業のまとめとして、学生たちに課されたテーマは、「コーヒーの新しい飲み方」だった。それを7回にわたり展開されてきた講義での思考法を用いて、学生たちが班別にプレゼンテーションする。その概要は次のようであった。

1、新しい個々人の要求に応えた詳細な注文方法の開発
2、コーヒースティックの開発でいつでもどこでもコーヒー
3、行きたいときにいつでも開店している理想のカフェ
4、ワインを飲むように原材料や製法を示したコーヒーの販売
5、並ばなくてもよい携帯からのコーヒー注文アプリの開発
6、物質Xを加えた元気と集中力の出るコーヒーの開発
7、シリアル+コーヒーの合体商品=コーヒーリアル

 いずれも数分の映像に「新しいコーヒーの飲み方」が、ドラマやCM仕立てでまとめられていて、新しいアイディアや商品の特長などが一目瞭然であった。スタンフォード学生の発想の豊かさもさることながら、映像内で演技の上手さが目を引いた。「疲れたときにこの商品を」というような映像で、キャンパス内をロケ地にしながら、実に見事に疲労感が演出されていたりする。昨日の小欄に記した演劇教育が、小中高を通じて米国では為されているからであろうと、納得する一幕であった。

 それにしても豊かな発想による商品企画力。1番は、個人の微妙な好みを叶えてくれる注文でコスト的には大変かもしれないが、顧客のニーズに優しい対応。4番は、材料や製法を知ることができ、客としては安心感が得られ自らが飲むものに深い興味が持てる。5番は、ファーストフード的カフェであれば、朝は並ぶのが日米両国でも常なので、携帯から7分前までに注文すればすぐにコーヒーができている仕組み。これなら電車内からも注文できる。6番は、含まれる物質Xの内容によっては怖い気もするが、仕事で追い込まれた時には、飲みたくなるかもしれない。いずれもすぐにでも商品化できそうなものばかりである。

 また2番や7番は、実際に試作品まで作製しその場で提供したのだから驚きである。もちろん、3番のようにカフェのニーズとは何かを根本的に問い直す内容も、経営への視点が謙虚に表れた堅実な発想でもある。


 こうした学生のプレゼンテーション後、ティナ・シーリング教授のまとめ。

1、観察を重視する(思い込みを排除する)
2、前提を疑う(最高・最悪のアイディアを双方考える)
3、関連性のないものを組み合わせる
4、創造する空間が重要(幼稚園的な自由度のある固着しない空間が適切)
5、時間が重要(短期的プレッシャーの中で創造する~長期にすると止まらないランニングマシンに乗っているようで、必ず発想は疲弊する。)
6、時間的・物理的コストをかけずになるべく早く試作品を作る
7、試作品でなるべく早く失敗する(ただし、自分の創造性には確信を持つ)


 そして最後は、7回の講義で学んだことを個々の学生がカードに書く。そして、そのカードを持って教室内を徘徊し、他の級友にカードを渡していく。適度にシャッフルされたら2人1組になり、2つのカードを突き合わせ満点7点で(3:4)のように重要度が高いか否かで率を振り分ける。その評価を5回繰り返す。その時点で、最高得点35点から確認し、上位5枚のカードから、この講義で学んだテーマを抽出する。最終的に、全てのカードをホワイトボードに張り出し、全員で振り返るというもの。この方法自体が、大変創造的であり、すぐにでも講義で行いたいようなものであった。

 学生たちが上位に選んだカードの中の言葉。

 「Impossible is nothing !」




 「創造性は技術で学ぶことができる。」(ティナ・シーリング教授)

 大学教育そのものの創造性も技術で学ぶことができると私には聴こえた。
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