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Justice has been done

2011-05-08
日本ではGW谷間の5月2日(月)、米国時間5月1日(日)深夜に行われたオバマ大統領の異例の緊急演説は、米国民にとって10年越しの様々な思いを乗せていた事だろう。日本人にとって、今回の3.11東日本大震災が、世界観を変えるほどの出来事であったが、米国民にとって、9.11が世界観の大きな転換点になっていたはずだ。もちろん東日本大震災は天災(原発を考えればもちろん人災と規定して然りなのだが、ここでは一次的な災害として考えておく)であるから、その責任を追及する宛もない。責任は、これほどの地震大国において、備えは十分であったのか?というような自問自答に終始するばかりである。(これも原発を考えると、事情は一変するのだが。)

 責任論を展開しても、どうにもならない天災の陰で、「想定外」という便利な逃げ口上が頻繁に使用され、政府や東電が人為的災害と見なされる可能性のある部分を反故にしようとする姿も、多々見られた。そういう意味では、東日本大震災と福島原発は、どこかで切り離して考えなければならないのかもしれない。宮城県・岩手県などを中心とする被災地の復興を考えるのと、福島の現状を考えるのとでは、もはや違ったレベルの話になっているように思う。それほど天災と人災の違いは鮮明に分割できるほど、「災禍」としての意味は大きく違う。

 
 9.11テロの首謀者とされるビンラディン容疑者を、米国の特殊部隊がパキスタン郊外で殺害した。それを受けて、NY・グランドゼロやワシントンDC・ホワイトハウス前には、深夜にも関わらず集まった群衆が歓喜する姿が報道された。9.11テロの犠牲者に関係する人々にとっては、まさしく「仇討」が実行された訳であるから、「歓喜」の感情を持つのも必然であるかもしれない。しかし、スポーツなどで贔屓チームが勝利したかのような「歓喜」を見せられると、果たしてこれでいいのかという疑問を持たざるを得なかった。直接的に結び付ければ、一人の人間とその家族が殺害されたことを以て、「歓喜」の歓声がこだまする世の中であっていいのかという疑問である。(とりわけ米国人の歓声の上げ方は、日本人にとって狂喜に聞こえる。)

 冷静に考えれば、この米国内の「一部」地域の報道でもって、米国民の感情全てが表象されているはずはない。米国在住の友人に聞いても、やはりこの報道に違和感を持つ人々が多かったという。多くの犠牲者を出した殺戮行為に対して、首謀者の殺害という「目には目を」の国家戦略。前ブッシュ政権の後始末が託されているとはいえ、ノーベル平和賞受賞者が、国家の名のもとに作戦実行命令を下してしまう矛盾。そして、その作戦の一部始終を、ホワイトハウスの危機管理室のモニターを通して見つめた、オバマとヒラリーの姿。殺害が確認されると、「We got him」と大統領執務室に戻ったオバマ大統領はスタッフに告げたという。

 今回「ジェロニモ」と暗号化された作戦の概要を知ると、まさに米国ドラマ「24」の1シーンがリアルに展開されたような図を想像してしまう。ヘリによる急襲、しかもその一機が墜落したが、予備のヘリで作戦敢行。CIAと海軍特殊部隊による作戦は、「EKIA(敵を作戦中に殺害)」という結果を、短時間でもたらした。墜落したヘリは、最新鋭のステルスヘリではないかとされており、予備機が最後にこの墜落ヘリにロケット弾を撃ち込み、兵器機密の漏洩を防いだともいう。ほとんど映画かドラマの1シーンのシナリオにありそうなことが、現実にパキスタンで行われたわけだ。

 米国は作戦後、ビンラディン容疑者の遺体を水葬にしたと発表。そのあり方自体が、テロ対策の常套手段であるとする考え方もある。その他、一切の写真などを公表していない。それゆえか、殺害写真として欧州の新聞などにはフェイクとみられるものが掲載されたりもした。


 果たして「justice」とは何か?


今後、再び報復の連鎖が予想され、日本国内の米軍基地などを含めて警戒レベルが強化された。



「憎しみからは何も生まれない」坂本龍馬の母が、幼少の龍馬に教え諭した言葉。



米国の災禍は、10年以上の時を越えて、今後にも継続していく。「フクシマ」もその可能性があるが、出口の見えない人災ほど、手に負えないものはない。

天が様々な恵みを人間に与えているように、たとえ人為的な文明によって、大きな見返りが期待できたとしても、人は人の「理性」をもって、文明を構築しなければならないはずだ。

そこに本来の「justice」があると思うのだが・・・
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