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一箱の友情

2011-03-31
30日(水)ふと呼び鈴が鳴った。階下のエントランスモニターには、宅配便の配達員の方が映し出される。ここのところ家具転倒防止器具等を注文しているので、それが予想外に早く来たのかと思った。配達員が玄関まで来ると、かなり重そうに大きな段ボール箱を差し出した。中身はミネラルウォーター12本入りだった。

差出人は、大学時代の大親友で、現在は実家のある兵庫県に住んでいる。箱を開けると短い手紙が同包されていた。

「とりあえず飲料水送ります。何か不足のものがあれば連絡下さい。役に立てるかどうかわからないけれど、体だけは気をつけて!!」

その文面を見たとき、何とも言えない友情のありがたさを感じた。

彼とは学部も違うが、サークルで私が幹事長、彼が副幹事長という仲。運営上の様々な苦労を共にし、卒業後も何でも相談できる友人だった。常にお互いを尊重しつつ、やる時は大胆に羽目を外す。そんな気の置けない仲であった。

学祭の打ち上げなどでは、自らが率先して飲んでつぶれないと、皆を統率できないなどと、訳のわからない理屈で、宴会の序盤から飛ばした。衣服が酒に浸るほどに飲み尽くして、2次会以降の記憶はない。

ただ、下宿に向かう途中で、彼が好んでいるラーメン屋に入り、トイレに入って出てこなくなってしまったことだけは覚えている。気付くとお互いに、彼の下宿に担ぎ込まれ、私などは玄関で寝込んでいたという顛末だった。

卒業後、彼が東京にいる間は、しばしば会う機会も多かったが、関西方面に帰ってからは、時折の電話ぐらいとなった。それでも、私が関西に行くと必ず時間を作って会う機会を設けてくれた。

野球が趣味の私が、甲子園の高校野球を観戦に行くと、その折を見てスタンドに駈け付けてくれたこともあった。共に飲んだ甲子園のビールと、大振りの名物焼き鳥が今も忘れられない。


阪神大震災の折、大阪市内に在住していた彼は難を逃れた。しかし、すぐに電話をしたぐらいであった。あまり支援物資を送ろうなどと考えなかったのは、まだ若かったからであろうか。震災の性質からであろうか。


一箱の友情。

その箱を見つめて、小欄に記したような様々な思い出が蘇った。

長きに渡る友情って本当に温かい!!!
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