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袖触りあうも・・・やっぱり縁か

2011-03-26
25日(金)慌ただしい1週間も金曜日を迎えた。今回の地震で倒壊した書斎の本棚も、ようやく父の助力を得て廃棄できる状態になった。そして新しい本棚を注文する。自室での揺れに耐えるであろう構造を検討し、あまり費用がかさまない程度の商品を発見した。リビングに一時的に積まれている書籍の数々を見て、何年も頁を開いていないものも多数ある。改めてその一冊一冊との邂逅を思い出したりするのも一興だ。

掃除を終えると、何だかスタミナがつく食事が摂りたくなったので、英会話教室の前に通っている、馴染みの洋食屋さんへ。店に入ると「あら!(この曜日に)珍しいですね」と奥さんの笑顔。「肉を食べて栄養が付けたくなりましてね!」と返答していつもの席に座った。まずはサラダを肴に少々のワインをいただきながら、店主夫妻や息子さんとの世間話。料理の味は勿論上々なのだが、このカウンターコミュニケーションがあるからこそ、この店を贔屓にしていると言ってもよい。

その後は、「栄養が・・・」と宣言していたので、奮発してサーロインステーキを注文した。それにまた奥さんが呼応してくれて、「通常ならバター乗せですが、ガーリック乗せもできますよ」という。迷わず「お願いします」と答えた。最近、ステーキと言えばアメリカに行ったとき以外、あまり食べていなかったが、この店のは別格である。こんがり焼かれたステーキが熱い鉄板に載せられて、音を立てながら目の前に出てくる。立ち昇る湯気から、既にスタミナの香りが漂う。

ステーキに舌鼓を打っていると、隣に父と娘のお客さんが座った。何となく気になったが、当初はお互い黙々と美味しい料理を食していた。しばらくすると、その娘の方が小生に向かい「監督じゃないですか!」と声を上げた。「あれ!」と、彼女の顔を見るや、すぐさま約15年前に監督をしていたソフトボールチームの選手であることを思い出した。どうやら、この洋食屋さんの近辺に住んでいるらしい。それにしても、この曜日のこの時間に、カウンターで隣り合わせになるなんて、やはり「袖触りあうも・・・やっぱり縁だな~」とお互い驚嘆しつつ、改めて連絡先を交換した。


どこかに所蔵されていた人生のファイルが、ふと顔を覗かせる一瞬。これは自分が積み上げてきた、誰にも侵害されない聖域の記憶である。地震により炙り出された蔵書と同様に、新たな邂逅として今に息づく偶然性の悪戯だ。


そんな思いに浸りながら洋食屋さんを出て、地下鉄を1度乗り換えて馴染みのワインバーへ。地震後は、孤独感から解放される為に何度となく足繁く訪れている。いつもながらの静かな雰囲気の中で心を落ち着け、ワイングラスを傾けていた。しばらくすると、顔見知りの方が来店。再びカウンターコミュニケーションの時間が続いた。それにしても「袖触り合うも・・・」という諺は、「・・・」に結構なバリエーションがあることを感じさせる。


馴染みの店のカウンターで、時間的空間的な多次元から、スタミナを得られた夜となった。
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