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じゃかいよ「国語捨てちょる」

2023-11-22
「『点滴の針は抜いちょきましょうね』と優しく針を抜かれちょる午後」
(俵万智『アボガドの種』より)
方言と短歌県みやざき

大学が県と協働で実施する教員研修を、附属中学校を会場にして担当した。午前中は同僚の先生による『百人一首』を中心にした研修、昼休み前に僕は会場に到着し午後の出番に備えた。今回まず最初の30分でお伝えしたのは、次の4点となる。(1)宮崎は「短歌県」(2)文学教材=散文という教材観の偏り(3)「叙景+抒情」という短歌構造(4)短歌は「説明」でなく「描写」。特に(3)には力を注ぎ、「場面・風景」と「内面・モノローグ」がどう重なるかが歌の基本的な「よみかた(読・詠)」であることを実例を挙げて体感してもらった。『古今集仮名序』以来、「歌は抒情詩」なのだとすることは、知識としてわかっていてもなかなか「経験」として理解されていない。作者(主体)の「立ち位置」や「視線」の問題とも関連させ、「歌も文」としてどうよむか、について俵万智さんの歌なども例に実感してもらった。

俵さんの最新歌集『アボガドの種』にある冒頭に記した宮崎弁を含んだ歌が、受講者の中でも人気だった。奇しくもこの日の宮崎日日新聞には、「探・九州弁」の「4紙合同企画」が掲載され、宮崎弁への愛着やエピソードが紹介されていた。「じゃかいよ(同意の意)」や「〜ちょる(〜している)は「後世に残したい宮崎弁」10選にあった。俵さんの歌に対する受講者の評では、「針を抜く」という痛そうな行為が、「抜いちょきましょう」「抜かれちょる」ということで和らいだように受け取れるという趣旨のものが多かった。「てげてげ(ほどほど)」「いっちゃが(いいよ・大丈夫)」にも通じて、宮崎弁の優しさをあらためてこの歌は実感させた。最後に受講者に各1首の歌を詠んでもらい、まとめの歌会を開催。教師視点のユニークな歌が詠草を賑わせた。中には生徒の「国語捨てた」という発言に衝撃を受けた作もあり、中学校国語教員の人材不足が深刻化している県の現状を窺わせた。まずは教師自身が「歌をよむ」こと、短歌県みやざきの「国語教師」に求めたい、日本で此処だけの研修を今後も続けたい。

短歌は抒情、ゆえに国語は「心を考える科目」
県内20名以上の国語の先生方との貴重な時間
短歌をよんだらいっちゃが!


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