fc2ブログ

題詠「飛」ー『心の花』創刊125年記念会歌会

2023-11-13
題詠「飛」出詠180首・歌評選者6名(30首ずつ)
司会・総評:伊藤一彦・全体講評:佐佐木幸綱
短い歌評の中できらめく要点を逃さず

全国大会が3年間も開催されず、4年ぶりの全国規模の歌会。今回は「全国大会」という位置付けではなく、また「125」という数宇として一通過点であるという趣旨を企画・開催に関わった何人もの方々から聞いた。新型コロナに関しても「五類移行」以前から企画されてきたわけで、どの程度の対策を講じた会にするかという迷いも尽きなかったと云う。会場や懇親会の有無などの検討など実行委員として関わって来た方々のご苦労には、心より敬服と感謝の念に堪えない。さて、この日は冒頭に記したように参加者全員の歌会が開催された。日頃は誌上の歌で出会っている方々とリアルな歌会を全国規模でするのは実に醍醐味のある時間である。もちろん詠草には佐佐木幸綱先生をはじめ、伊藤一彦先生に俵万智さんなど、あらゆる参加者の歌が無記名で並べられている。180首からの一首選は誠にしばらくの間悩んだが、それこそが歌をよむ楽しみであった。

歌会の全貌を記すことは難しいので、特に大切な指摘と思う点を覚書としておきたい。大きなことを言う歌は、抽象的になりがちだがいかに詠むか。逆接は理屈になりがち。作者の立ち位置・作者はどうなっているか?助詞の省略は子どもっぽい。変身させた自分詠う。登場人物の作者との関係性。一首は助詞と文体がいかにシンプルかが決め手。完了か打消か「ぬ」の曖昧。一字空きをどう使うか?使わないかは現代短歌の大きな要点。その歌を読む前と後で人生が変わるような歌を目指したい。文体がつながらず「粗筋」だけの歌が最近は多く「イメージ」を表現することが減少している。この歌は「頭で作っている」。「言いさし」は終止形の方が安定する。「舞う」と「凛として」の使用には注意。不要な付け足しがある歌(上の句だけにしたらいい歌)。以上、もちろん選者によって歌評の違いもあり、その多様な読みの中に短歌と表現が立脚しているものと再認識できた。

終了後は会場の1階に降りて懇親会
様々な方々と新たな交流もできた
次回はどのような全国規模の大会になるのだろうか、今から楽しみである。



関連記事
スポンサーサイト



tag :
コメント:












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://inspire2011.blog.fc2.com/tb.php/5087-af67bef1

<< topページへこのページの先頭へ >>