因果応報ーまず身近な人を尊重せよ
2023-10-11
「善悪の因縁に応じて吉凶禍福の果報を受けること。善因には富楽などの善果を受け、悪因には貧苦など悪果を受けること。
現在では悪因悪果にかたよった意味に用いることが多い。」(『日本国語大辞典第二版』)
日本古典文学の名作中の名作『源氏物語』を読むと、明らかに「因果応報」が人の生き様の上に反映することが強く意識される。平安朝は仏教文化が浸透した時代でもあり、仏語であるこの思想が根本に据えられる必然性がある。だが現在でも日常的に「罰が当たる」などという言い方で、「因果応報」の考え方を教えられる機会は少なくない。我々は日頃の生活でたとえ誰が見ていなくても、「きっと神や仏が見ている」と思って行動している人も多いだろう。だがどうも世界には「自分だけが正しい」と思い込む輩も少なくなく、昨今の情勢も見ても世界的に諍いが絶えないのは悲しむべきことである。
「善因」など大袈裟な言い方ではなく、まずは身近な家族に深い愛情を持ち、家族が幸せになることを願って行動することが人としての基本であろう。一つ自分が買い物をして帰るとか、洗濯物を先に取り込んでおくとか、些細なことで夫婦間の信頼関係は日常的に育つものだ。僕の卒園した幼稚園に「小さな作法(幼児から大人まで)」という標語があるが、その中に「話し合いは『相手の話を聞いてから話します』」とされている。自分勝手な行動をしていては、社会生活が成り立たない。「挨拶をする」「相手の話を聞く」とは、総じて「相手を尊重する」ことである。「この言動をしたら一番身近な人はどう思うか?」を考えるべきだ。「現在では悪因悪果にかたよった」と『日本国語大辞典』に教わるが、「善囚善果」とは身近な喜びを大切にするということなのだろう。
今日の朝焼けも素晴らしい
まずは身近な人を尊重する1日が始まる
今生きるも今は亡き人の声を聴きながら。
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