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伊藤一彦先生講演「短歌と人生」

2023-10-09
「このことに出会えてよかったのものは?」
「定型・非定型の得体の知れないところ東京、故郷は定型」
「故郷に帰ってこそ牧水に出会い直す」

日向市東郷町坪谷の若山牧水記念文学館では、先月より「伊藤一彦展」が開催されている。これまでの伊藤先生の歌作を中心に交わりのある人々からの肉筆の歌や原稿が展示され、まさに「伊藤一彦の読む交友録」のような趣である。先月の牧水祭の折にも全展示を読んだが、あらためてこの日は目を引く文字を追った。その後、記念講演「短歌と人生」を隣接する「故郷の家」で拝聴した。それはまさに「故郷宮崎論」でもあり、また「短歌による豊かな人生論」でもあった。お話の多くが展示の色彩と同様に「人との出逢い」で形作られていた。もちろん「人」には「ある人の書いた文章・作品」も含まれる。若山牧水はもちろん、大学時代からの親友である福島泰樹さん、そして「五句三十一音」のシンプルだが組み合わせ次第で底知れぬ「奇数の魅力」を発揮する短歌への出逢いと愛情が豊かな語り口で展開した。

「日本人は日本語によって誰もが文学者であることを強いている」という三浦雅士氏の言説を引きながら、「他力の文芸」「日常語だと愚痴になるが歌だとならない」「歌は日常生活のコピーではつまらない、未知なる自分に出逢うものだ」という短歌論が知らぬうちに聴衆を引き込んでいた。作歌の上で大切にしたいことは次の三点。1)上田三四二は「短歌一生」と言ったように、やめないで作り続ける 作ることで新しい自分を発見する。 2)推敲が楽しみな人は発展する 苦しみではなく楽しみにすること。 3)他者から批評を受ける 自分の歌は見えない。またとても印象に残ったのが「家族とはいずれ別れる、だから歌ができる。有限の人間だから歌が生まれる」という弁である。そして「自然あっての人間、災害などで自然は恐ろしいが、どんな恩恵を受けているか」を考えることが肝心だと云う。まさに牧水と伊藤先生の人生観・自然観・短歌観は、深いところで溶け合っていることをあらためて感じる講演内容であった。

その後は宮崎市内へ戻り「心の花宮崎歌会」
懇親会まで仲間と歌を語る時間がありがたい
さらに卒業生と夜が更け行くまで語り合う時間、これも伊藤先生のおかげです。


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