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伊藤一彦展はじまる

2023-09-13
「月あかり浴びて立ちゐつ旧暦の八月十三夜がわが誕生日」
(伊藤一彦『新月の蜜』より)
地元紙・地元放送局も記事に・・・堺雅人さんの直筆寄稿なども

若山牧水研究の第一人者といえば、伊藤一彦先生である。「牧水と宮崎を愛する歌人 伊藤一彦展」という企画事業が、日向市東郷町坪谷の若山牧水記念文学館で9月10日(日)から11月26日(日)まで開催されている。昨日は伊藤先生のお誕生日ということもあり、先日の特別公開講座の御礼も含めてお祝いのお電話を申し上げた。企画展のチラシのデザインもそうだが、伊藤先生のもう一つの代名詞は「月の歌人」かもしれない。80歳のお誕生日にあたり、冒頭に記した一首を思い出した。「宮崎=旧国名日向」であるゆえ神話の関連からも「太陽」に注目しがちだが、東側を全て海に面した宮崎でこそ「月」を観賞するには絶好の地であると考えさせられる。第二歌集『月語抄』第九歌集『新月の蜜』第十一歌集『月の夜声』と歌集名にも「月」が多く取られている。

「牧水は明治18年生まれ、私は昭和18年生まれ」と、折あるごとに伊藤先生は牧水との縁を語る。先生の牧水研究の進展がなければ、牧水もここまで再評価はされなかったはずだ。現在、歌人の専門研究誌は伊藤先生が会長・牧水研究会が発刊する『牧水研究』と『(佐佐木)信綱研究』ぐらいである。その牧水と僕自身にも不可思議な縁があり、伊藤先生の背中をみて牧水研究に従事できる幸福を噛み締めている。敢えて若山牧水と伊藤先生と僭越ながら僕の共通点を見出すならば、家業を継がずに文学の道に進んだことだ。もちろん早稲田大学で文学を学んだという共通点もある。牧水は教師になることはなかったが、伊藤先生と僕には高校教師であったという共通点もある。今回の企画展の目玉は、伊藤先生の教え子・堺雅人さんの直筆原稿であり、今から読むのが楽しみである。

牧水先生の出生地・宮崎に僕が来た縁(えにし)
早稲田大学では師と仰ぐ何人かの先生方に出逢ったが
あらゆる意味で宮崎で出逢った伊藤一彦先生は人生の師である。


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