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戦時中を読むー肉筆の書簡と葉書

2023-08-16
妻の祖父の御兄弟
戦時中の書簡・葉書が保管されていて
肉筆を読み解く78年目の夏

78回目の終戦の日、今年は台風7号が近畿から山陰地方にかけて縦断するという1日だった。水害への警戒や公共交通機関の混乱など、現在も国民の命への脅威が自然災害という形で忍び寄る。だが78年前には「国」という概念に抗えない人々が、無念にも多く命を落としたのであった。個々人の尊い「命」があってこその「国」、だが社会の流れが狂気を帯びてしまうと「国策」の名の下にこれが反転してしまう。78年前の反省に立ってこの間の「平和」があるのは間違えないが、「戦争経験」なき無自覚がこの「反転」への燻りとなることをわたしたちは声を上げて揺り返さなければならないだろう。

妻の実家にて、仏壇の引き出しに眠っていた戦時中の肉筆書簡や葉書を読み解いた。祖父の弟さんが戦時中に所属先の部隊から送った葉書には、「検閲済」の判が押されている。横須賀の部隊で自分は護衛艦に配属になったと記し、国への忠誠を誓いつつ家族に安心せよという趣旨の文が綴られている。また祖父の妹さんは、満州に渡って製紙会社勤務の暮らしをしていたようで、こちらへ来たらよいと家族を誘う内容であった。しかし弟さんは戦闘で海上に命を落とし、妹さんも満州の地で病気になって命を失っていることがわかった。ともにまだ二十歳を少し過ぎたぐらいの年齢、家族とともに日本で平和に暮らしたいという思いがないわけはない。だが郵便さえも検閲されるので、正直な心根など書けるわけはない。そこに「個」を喪失させる、社会的装置の脅威を覚えざるを得ない機会であった。

「第二世代=親が戦争経験者」とされる
僕らはどこかで「戦争体験者」なのだ
肉筆の文字を読み解く大切な時間が今年の8月15日であった。



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