fc2ブログ

牧水のデートー百草園を歩く

2023-08-13

武蔵野は多摩丘陵一角の自然
牧水が恋人・小枝子とデートのために訪れた自然庭園
僕の叔母の家が丘陵続きにある不思議なご縁もあって

研究学会への参加を終えての東京滞在、諸々と今後に向けて調べたいことがある。世間はお盆休みに入ったが、この時節に至る前に来月には刊行する新刊著書の校正と「あとがき」など詰めの原稿を出版社に引き渡すことができた。これまでの牧水研究のテーマとしてきた「朗誦性と愛誦性」をテーマとした1冊となる。これが一区切りとなるのだが、もちろん牧水への愛は募るばかりで、次のテーマとして僕自身が生まれ育ちよく知っている東京の地について足跡を追ってみたいと思っている。研究テーマなどはいわゆる「糊代」が必要で、「前」の余韻があるうちに「次」へと食指を向けることが大切だ。ということで、今回は若き牧水が恋人・小枝子とデートの地に選んだ「百草園」を訪ねてみることにした。

牧水との不思議な深い縁を僕は持っている、と自惚れている。その一つの事象として、百草園の近くに叔母がその土地を気に入って長年住んでいるのだ。この日は「京王百草園駅」で叔母と待ち合わせ、徒歩でも10分以内の百草園であるが激しく急な坂があり膝を痛めている叔母の提案でタクシーで現地入口まで出向いた。多摩丘陵とはこんなにも急峻な丘だったのかと、タクシーの登坂角度に驚きを覚えるほどの坂だった。入口は茅葺きの小さな山門、打ち水かと思いきやミストがその屋根から通路に霧を吹くように装置が付けられ熱中症対策が施されている。最初に見た歌碑は「小鳥よりさらに身かろくうつくしくかなしく春の木の間ゆく君」の歌が、牧水の長男・旅人(たびと)の筆跡で刻まれている。もちろん小枝子の百草園での姿を詠んだもので、「うつくしく」と「かなしく」との間に句切れがあるがそこに韻律のアクセントがあり言葉の落差が胸を打つ。園内そのものが周辺の土地と同様に急峻な丘であり、徐々に見晴らしの良いところまで登る。園内中心部には松連庵という茅葺きの建物がある。その草木の丘と建物には、どこか不思議な既視感を覚えた。そしてなぜこの地を牧水がぞっこんな恋人とのデートの地に選んだのか?が僕にはわかった。それは小欄では到底書ける分量ではない、次なる研究としての評論にその謎解きの内容を譲ることにしておく。

「摘みてはすて摘みてはすてし野のはなの我等があとにとほく続きぬ」
叔母はこの歌碑を見て「我等」となっているね、とデートの歌だと読解した
絵画好きで欧風に憧れを持つ叔母の家に立ち寄り、さらには天ぷら屋でのランチを楽しんだ。


関連記事
スポンサーサイト



tag :
コメント:












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://inspire2011.blog.fc2.com/tb.php/4996-86095b26

<< topページへこのページの先頭へ >>