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あの頃の研究室ー恩師の年齢になって

2023-07-28
大学時代の研究室での研究会
先生の「喉が渇いたね」という一言から
大学近くの店になどくり出して・・・・・

大学学部の恩師は、母と同じ年齢だったので今も生きていらしたら80歳代になっていた。残念ながら72歳の折にこの世を去ったが、今もその声が聞こえて来るような気になることがある。研究会をしていて夕刻になると「喉が渇いたね」と先生は言う。それは言わずもがな「(みんなで)呑みに行かないか」という意味であった。現在とは異なり大学の環境も寛容なところがあって、研究室にもたくさんの茶碗とウイスキーが保管されていて『万葉集』の歌を講読しながら「はじめる」ことも少なくなかった。いわゆる「飲み会」が先生のもとでは日常から行われていたのだが、その場によって先生にも先輩にも多くのことを教えてもらった。卒業後も正月となれば必ず先生のご自宅に年始に伺い、かなりの大酒を呑んで終電で帰った。考えてみればいつしか僕自身が、あの頃の先生の年齢になっているのである。

現在はもちろん研究室(大学構内)で「はじめる」ことはご法度である。しかもこの3年間ぐらいは感染拡大で「飲み会」そのものの開催が控えられた。直近の昨年度でさえ、ゼミでは1回しか実施していない。思うのはかつて恩師が僕らにそうしてくれたように、僕自身がなるべくゼミ生と親しく語り合う時間を確保したいと常に願っていることだ。事実上、大学内で行うゼミの時間だけではまったく物足りない。教師としてのこころ構えでも、私的生活の話でも、はてまた実習への不安でも、自由に交流できる場が必要だ。などと考えて僕のゼミでは、なるべく「課外」の機会を設けるようにしている。恩師の思い出で印象深いのは、大変に気前が良いこと。店ではかなりの額を支出してくれていたし、場合によると早稲田ー高田馬場間のバス代七人分を出してくれたこともあった。あの頃の恩義に報いるためには、当時の恩師と同年代となったいまこそ学生との大切な時間を作り、恩師がしてくれたようにすることだと思っている。

自分が受けた「学び」は次の世代へ
語り合う時間を大切に作り出すこと
今もまた先生の笑い声が聞こえて来る。


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