めばえ・げんてんーあの幼稚園の先生
2023-07-27
「心育」こころを育ててもらったあの頃物心ついて初めての恋のような感情を抱いた物語
卒園幼稚園の現園長先生として宮崎へいらっしゃる
集団行動など「規律」という意味では、ダメダメだった幼稚園の頃。だが確実に「心育」を施していただき、現在の自分に繋がるめばえ(芽生え)があると回想できる。幼稚園は僕が現在の道に進む上で大きな原点となっている。文学研究をしているのもあの頃に紙芝居や絵本により大きな感動を与えてもらったから、その肉声で読み聞かせる素晴らしさから音声表現(朗読)研究にも踏み込んだ。「クリスマス」の著書を書いたのは「マッチ売りの少女」の紙芝居が原点、音楽と関連させたのもあの頃に楽器に向き合ったからだ。そして「ことば」は「心の耳で聞く」という短歌の原点のような姿勢もまた、当時の幼稚園園長の教えに由来するのではないかとさえ思う。ダメダメなことも多かった園児だったが、確実に未来に繋がる「あそび」によって「心」を育てていただいたのが僕の幼稚園の人生としての意義である。
現在もまた当時の園長の娘さんが園長として、「心育」の教育を引き継いでいる。僕が園児の時は年少の担任(自分の担任ではなかった)で、「日本の恋歌とクリスマス」に記した「初恋類型めばえ」として僕の内部に刻まれている先生だ。その現園長先生が、研修のために息子さんとともに宮崎を訪れた。妹の時に「ひまわり会会長」を務めた母に連絡があり、ぜひ会食の機会が持てればということでこの日を迎えた。不思議なのはその息子さんが、仕事の関係で宮崎にご縁があったということ。人生の原点に発する糸がどのように繁茂していくのか?誠に不思議でもあり必然でもあるドラマが待っている。この夜は昔話からさらにこれからの幼稚園まで、時間がまったく足りないほどの話が弾んだ。未来への話の中でも人と人とのご縁が不思議なほど繋がっており、母が築き上げた人間的な心の輪がさらに拡がりそうな予感を持った。幼稚園・保育園の頃には、何も早く「文字」「計算」ができればよいというのではない。人生という樹木の種となる「心」を芽生えさせる「あそび」にたくさん触れることだ。かつての園長はこう言っていた、「心を育てれば青少年の犯罪はなくなる」のだと。余裕なき効率化と詰め込みの発想から、この国はもういい加減に脱しなければなるまい。
母の人生の樹木として高く大きくそびえ立つ
さらにこれからも幼稚園に様々な繋がりで貢献したい
「人の心」が大好きな己を育ててくれた人生の恩師として
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