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牧水没後95年「いとしの牧水」ー第二の故郷・延岡公演

2023-07-23
短歌と音楽と朗読と
牧水が8年間の青春時代を過ごした延岡
後輩である延岡高等学校の生徒たちの短歌が480首集まる

僕自身の忙しさがあって、今回はなかなか十分に事前リハの時間が取れなかった。しかし、朗読の背中を押してくれるチェロ・バンドネオン・ギターの響きと僕の声は、千載一遇の出逢いのように交響した実感がある。もちろん演奏者の方々の技術の高さということになるのだが、「ことば」と「音楽」はどこかで共鳴し合うものである。その極点が「短歌」という1300年の営為ということだろう。ステージに上がるとまさに「フロー状態」を通り越した幸福感に包まれ、朗読はほぼ無意識に気持ちよく自然に声がマイクに吸われていった。牧水の魅力は語り尽きせぬが、「その存在が周囲をまるく包み込む」ような趣旨のことをトークで述べた。その「まるさ」の中で周囲の人を含めた「自然」と共存をもたらせるのが牧水の短歌であり生き方である。公演の最後に読まれた妻・喜志子の短歌に思わず涙が溢れ出た。「いのちのしらべしらべあひて」という牧水逝去に際しての喜志子の歌、まさに「世にありがたき二人」なのである。これはもちろん僕が今回に朗読した「最愛の妻・喜志子への手紙」の新婚当時の牧水の思いと響きあう。

自宅を8時には出発、観覧する妻と双方の母と4人を乗せた車は順調に延岡へ向かった。マイク合わせや場当たり等のリハーサルのため出演者は10時集合。城山の鐘を見上げるリニューアルされたばかりの野口遵記念館に到着した。眼の前の市役所とともに、かつての延岡城の景観を彷彿させるデザインの素晴らしい建物だ。伊藤一彦さんと僕が朗読のマイク合わせに入ると時折、音が飛んでしまう症状が随所に現れた。二人とも「声が大きく音響リミッターが掛かるのか?」など原因が究明されたが、最終的に有線マイクを使用することになった。ホール内の音響は大変によく、スピーカーからの音はどの音域も響き渡る。しばし会場の様々な座席を巡り歩き他者の声を参考に、自らの朗読の声の出し具合を調律していく。ある意味でサザンオールスターズなどがワイヤレスマイクで平然と3時間超のライブを音響トラブルなく歌い切るのは、スタッフの想像を絶する腐心があることを悟った。また牧水の後輩たち・延岡高等学校の生徒さんで特選に選ばれた2人もステージに出演し自らの歌を朗読する機会があった。彼女らにとって緊張する体験の中、「ゆっくり・息を吸い込んで・一テンポ置いて」など助言ができたのは、これまでに朗読発表公演を学生たちと作り上げて来た成果でもあった。かくして本番は異次元の時の流れの中に、自らが居た気がする。ありがたき牧水先生の来臨を、ステージ上で実感した。

観客のみなさんも300人以上の盛況
延岡の短歌熱をさらに盛り上げたい
「千万人来つつ見るとも遂に見ぬ一人のありてたのしまぬ我や」
(牧水7回忌に妻・喜志子が初めて城山公園の歌碑の除幕に訪れた際の歌)


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