教師のこころ(志)を短歌でリレーする
2023-07-09
「教師未来セミナー」(本年度第2回)開催未来の宮崎の教育を担う高校生たちへ
中学校の教員として成長したゼミ卒業生を迎えて
教師は、小さな夢をたくさん叶えられる職業である。文学者にもアナウンサーにも歌い手にも野球の監督にもなりたいという欲張りな願望を、僕は教師になったことで叶えてきた。今現在、まさに研究と実作に向き合っている「文学者」となった。さらに文学のうちには精密な夢がまだまだたくさんある。今月22日(土)には300人規模と聞く野口遵記念館(延岡市)で短歌トーク&朗読の公演に出演するのは、文学者であり朗読家である所業だ。高校教員の時にクラスに文化祭実行委員長がいて、僕に校庭の野外ステージで歌を唄いませんか?と誘いかけてくれたことがある。彼女は僕がサザンの大ファンだと知ってのことだ。多くの生徒や保護者さらには同僚の眼前で、僕は「勝手にシンドバッド」を熱唱した。また部活動では女子ソフトボールの監督顧問を続け、まったく勝てないチームを都大会まで勝てるチームにしたこともある。生徒らとともに「小さな夢」を叶える仕事として、やはり僕自身が教師という仕事を大好きなのだ。
前述のような内容を随所に盛り込みながら、県内で中学校教員をしているゼミ卒業生を講師として迎えた。大学院まで短歌創作も行いつつ短歌学習について研究し、院在学時にも中学校非常勤講師を経験し苦労を重ねた。「苦労は買ってでもさせよ」というが、教え子には教師として十分な「筋力」がつくように敢えて険しい道を勧めるようにしている。非常勤の際には夜遅くに僕のところに電話が来て、「もう舐められて授業ができません」と泣いたこともあったと本人が語ってくれた。その「筋トレ」が功を奏し、今や立派に中学校2年生の担任をしている。彼女の「こころ(志)」をぜひとも多くの高校生に知ってもらいたい。また彼女は所属短歌結社の新人賞に当たる賞を受賞した。その作品の題は「1日担任」、まさに教育実習の苦労や歓びが十五首の短歌にリアルに描かれている。この日はセミナーに参加した高校生たちに、この作品を読み合って5人単位で小さな「歌会」をするという計画を進めた。高校生たちの感度はよく、さすがは「短歌県みやざき」の高校生だと思った。各班ごとに「一番いいねの歌」について代表者に評してもらったが、その視点と感性の豊かさには将来の宮崎の希望が見えた。かくして、この企画によって僕がゼミ卒業生に手渡したバトンを活用し、さらに教師になりたい高校生へのリレーができた。夢を持った多くの高校生たちよ、どんな時代になろうとも豊かなこころのある宮崎を創って行こう!
終了後は希望者による附属図書館見学ツアーへ
補助の学生たちもまた未来の教師としてサポートしてくれた
僕自身が今までの生き方を問う機会でもあった。
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