駆けぬけて一塁
2023-07-08
どんな打撃の結果でも一塁は駈けぬけるまずは眼の前のひとつにちからをそそぐ
講義・出張準備・授業研究・会場準備へ
高校教員としてソフトボール顧問・監督をしていた頃、野球経験はあっても最初は指導にあれこれと戸惑った。だが次第に自分なりの考え方を、どのように指導していけばよいかが掴めてきた。そんななかで「どんな打撃の結果でも囚われずに一塁まで駆け抜ける」ための反復演習をよくした。さらに言えば、「駆け抜けたのちに振り返り現状を読む」まで動作を反復するのである。現在は競技に取り組む性差も取り払われてきたが、当時は少年野球の経験がない女子高生には、この基礎基本を理屈ではなく動作として反復練習をしておくことが肝心であった。僕自身がソフトボールに向き合い信念としていたのは、そのあらゆる経験を人生の随所に活かすことができるということだった。キャッチボールなら相手がグラブを構え取りやすい所を狙って投げてあげる思いやりがあれば、守備機会のエラーは起こらない。社会には自分のボールばかりを相手が構えていない場所に無闇に投げる輩がいるが、部員たちはこのキャッチボールの心得を学ぶことで人生でも配慮ある言動で生きることができると信じていた。
前述のような指導は、もちろん僕自身が人生で活かしている要点でもある。昨日は「どんな打撃結果でも一塁までまずは駈けぬける」というような1日を過ごした。朝からは次週月曜日に東京出張を控えているため、講義のオンデマンド教材を設定し学修支援システムに上げるまで駆けぬける。もちろん前週の講義レポートには、すべて一言のコメントを打ち込むまで駈けぬける。昼休みは出張の事務的な確認と学部長との打ち合わせまで駈けぬける。すぐさま附属小学校で行われる授業研究会へ向かうため安全運転で駈けぬける。小学校6年生の物語の授業を参観し諸々の気づきを得るために駈けぬける。終了後は小学校校長と前教頭と、授業についていささかの語り合いを駈けぬける。大学へと引き返し、本日開催される「教師未来セミナー」の会場準備に駈けぬける。もっともこれは担当の先生と事務の方々が会場を整えてくれていて、明日の対談やグループ活動への位置確認などをするわけで、「四球で一塁に歩いた」印象であった。誠に周囲の方々のご協力には感謝の思いを尽くすことに駈けぬける。かくして仕事を終えて18時30分、まだまだ駆け抜けたい査読などの仕事はあったが、この日はこのあたりで打ち止め。七夕の夜空を見上げつつ、昼休みに電話注文したアジア料理のオードブルを妻とふたりで味わう宵を駆けぬけて試合終了。
まずは走ってみて状況を見定めること
ボールを転がせば何かが起きるはずだ
一塁まで駈けぬける、一流選手が普通にやっていることである。
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