窓をあけたい朝ー「青の國」自然への親和力
2023-05-18
いま、朝の空気が嗅ぎたくて窓をあけた早起き鳥たちのさえずり、雲間にのぞく朝陽
10年間この宮崎に住んで自らの身体は変わったのか?
俵万智さんの新刊エッセイのタイトルにもなっているが、この宮崎(日向)を「青の国」と呼ぶ。それは若山牧水の「樹は妙に草うるはしき青の國日向は夏の香にかをるかな」にちなんだものと「あとがき」にも記されている。牧水の実感はいまでも健在で、妙霊な樹木と麗艶な草、今の時節は特に山々の色も華麗に日々変化し続ける。そして特に僕自身が実感しているのが「香」である。こうした未だ人々が目覚めていない早朝などには、そこに存在する香気を存分に吸いたくなるのである。草木のそれなのか、この土地が持つ和らぎなのか、「日向の香」が僕の身体に取り込まれていく。人は馴化し適応する力があるため、その香しさは次第に意識に上らなくなる。しかし東京などから宮崎に帰還し、空港ビルから外に出た途端、その香しさを存分に吸いたくなる自分がいる。
宮崎に住んで10年を超えた。もし宮崎に移住することなく、東京に住んでいたら僕の身体はどうなっていたのだろう?東京在住時は自動車の騒音も甚だしく自宅マンションの窓など開けることは稀、ベランダを掃除すれば排気ガス由来の煤煙で雑巾は黒く染まってしまった。鳥たちの声など鴉のみで、ときおり鳩の声も聞くが、いずれもおぞましい気分になった。草木を求めて名ばかりの「森公園」などを散歩するのだが、もちろんマイナスイオン効果など望むべくもなかった。現在は、小欄を書き上げた後のウォーキングで樹木が鬱蒼とした150段の石段を昇ると何やら草木のチカラをこの身にいただいているような気になる。さらに最近は、多くの種類の鳥たちの声を聴くように努めている。ちょうどある短歌誌(7月号)の編集者から依頼を受け、「牧水の鳥」に関する評論を書いている。あらためて牧水の鳥の声に対する執着の深さに驚かされ、それこそが「青の國」で育まれる「自然への親和力」なのだと納得している。
牧水も東京生活が辛かったのだろう
妻の療養で三浦半島へ、そして沼津への移住
僕自身は、草木と鳥たちとともに生きる環境を得られているいまに感謝。
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