授業と伝わる声の身体
2023-04-11
授業開始マスクは任意にもちろん対面
くぐもり声を脱し「伝わる声」を取り戻そう
今年度前期の授業が始まった。プロ野球選手なら開幕を正月のように祝うというが、せめてクリーニング上がりの春のジェケット+パンツに新調した靴を履いて大学に向かった。何事も初日の「始まり」には、あらたな出逢いへの期待と緊張が入り混じるものだ。入学式から1週間の新入生、月曜最初の授業は1年生「国文学講義」。「自己紹介」に加えて「これまでの古典(古文)との関わり」についてメッセージを添えてもらった。国語専攻であるゆえだろう、『百人一首』や「論語』の一節を暗唱できる者もおり予想以上に「古典に親しみ」を感じている印象であった。
連続して2年生科目「国語科教育法基礎」、1年間大学で学んできたのちに初めて「教科教育方法論」を学ぶ講義である。「知識・技能」のみならず、「国語を教えるとはどういうことか?」について深く思考し表現してほしい。さらには「国語教師」になるための「意欲・意識・矜持」を持ってもらいたいと、もう一名の担当者と様々な仕掛けを考案している。この双方の講義でそれぞれ教室で学生たちに話してもらったわけだが、任意となったマスクはほとんどの学生が着けている。それはそれとして個別対応として尊重されるが、〈教室〉の中にいる者全員にまで「伝わる声の意識」そのものが退化していないかと不安になった。3年間の公の場でのマスク生活が、口腔の開閉を小さく抑え明瞭な発声に支障をきたしているように思う。「国語教師」に限らないが、これからは「〈教室〉の声を取り戻す」ことも講義での重要な目標になりそうだ。
講義とは「文化を伝承する機会」でもある
何よりも学生たちのために教員養成の僕ら教師にできること
明治から155年目の今年、あらためて声と表現する身体を取り戻す。
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