「はやい」とは何か?ー東九州自動車道清武南ー日南北郷開通に思う
2023-04-02
3月25日(土)開通1週間後に初めて走行し日南市まで
「はやい」のは多くの山々を貫通しているトンネルのお陰だが
近現代が疑問なく推し進めてきた交通網の開発は、果たしてどこまで行くのだろうかと思うことがある。整備新幹線とともに日本全国を高速道路網が、血管のように張り巡らされる。「・・まで最短〜時間」などと「はやさ」を競うかのように、いずれの高速網も整備がいつまでも続けられる。この両者ともにわたり整備が進んでいない宮崎県に住むからこそ、あらためて「はやさ」とは何なのか?という素朴な疑問を抱く。妻の実家のある日南市南郷まで、「日南海岸ロードパーク」の素晴らしい海岸の景色を見ながらのドライブが大変に好きである。だが先月25日、東九州自動車道が延伸し自宅から至近の「清武南」から「日南市北郷」までが開通した。しかも今のところ料金は無料。あの海の景色と「はやさ」のどちらを選びかの葛藤を抱くようになった。
法事のために宮崎空港に到着した義兄を迎えて、空港近くのバイパスからすぐに東九州自動車道の宮崎インターに乗った。従来は1時間10分程度は費やしていた実家までを、約55分程度で1時間を切りほぼ15分は早くなった印象である。東九州道はトンネルは多いがアップダウンは少なく、時速80Km制限は確実に維持して走ることができる。この「15分」の「はやさ」を、僕らは「便利」と名付け、日南市に来るのにあまりにも美しい海岸の景色を放棄することになる。反対に「15分」早く到着することで、僕たは何ができるようになるのだろう。台風などで海岸線の道路が土砂崩れを起こすことも少なくなかったので、そうした災害時には明らかに「便利」な道路ではあるだろう。ただやや皮肉な物言いをするならば、その「便利」のために多くの山の脇腹に大きな穴を人間は開け続けたのである。海岸線の道は、少なくとも自然が作り出した形状通りに入り組んだ曲線がそのまま道路になっている。通行して文句を言うわけではないが、人間はどこまでこの地球の自然を改造し続けるのだろうか。
「はやい」ことに優越感をもつ心
射抜かれた山はどんな風に立ち続けるのだろう
近現代の開発という傲慢をどう受け止めたらよいのか。
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