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口を開き蛸壺から出て大海を見る

2023-03-30
3年間のマスクが与えた身体への影響
なるべく人と接しない生活習慣
いつまでも感染は侮れないが前へ進むために

3年前のあの異様な3月は、たぶん一生忘れられないだろう。豪華客船・ダイヤモンドプリンセス号内の集団感染が報じられている間は、多くの日本人は他人事のように思っていた。だが次第に国内にも感染の波が襲い、3月29日には志村けんさんが70歳にして感染による肺炎で急逝され昨日で3年であった。この感染症が人類の生存さえも脅かすものだという恐怖が、日本社会に充満し始める契機であった。さらに10年前の「豚インフルエンザ」が一時的に流行した際に、一部では予測できた呼吸器系肺炎を引き起こす感染症の拡大が世界を呑み込み始めたのだ。現在の朝の連続テレビ小説「舞いあがれ」では、主人公・舞ちゃんの夫・貴司くんがフランスを訪問し滞在している間にロックダウンという設定が描かれている。こうして3年前の現実がドラマになると、あらためて僕たちが遭遇して来た人類史的な感染症の世界次元での拡大という事実を回顧しつつ今後の生き方を思わないではいられない。

マスクが誰それ例外なく日常品となり、人との接触をなるべく避けることが常態化した3年間。あくまで今後も感染症への対策は考慮しつつ、失われた3年間の日常を僕らはさらに新しくせねばならないのであろう。まずはマスクを常にして喋ることで口の開閉を怠けさせ明瞭な発音のできない発声が、無意識に定着している我々の言葉を見つめ直すべきだろう。物理的にマスクが声を遮蔽することも手伝い、教室での学生の発言の多くがくぐもり気味である。教員養成を旨とする所属学部の学生を育てる上で、これは憂えるべき問題である。また国内外へ見聞を広めることも、ほとんどが避けられてきた3年間。野球観戦・音楽ライブ・諸々の講演など、人が集まる場を避けてきたことで、僕らの感性や感覚に悪影響は出てきていないのだろうか?まさに蛸壺の中の蛸のように、僕らは世界から隔絶され大海を知らない了見の狭さのうちに生きている気がしてならない。赤児は母からの免疫が途切れた後、むしろ雑菌に晒されることで自己の免疫を高めるそうだ。幼少の頃に麻疹・おたふく風邪・水疱瘡などは罹患した方が良いという考え方があると聞いた。新型コロナは特に高齢者は罹患してよい感染症ではないが、それは過去のインフルエンザも同様だった。この3年間でどのように行動すれば感染し、何をすれば感染を防げるかを僕らは学んだ。3年は費やした人類の学びを活かし、再び人と人とが繋がる日常へ前へ進むように生きたい。

野球が観たい、人と会いたい
朗読もカラオケも教室での笑い声も
「取り戻す」のではない「前に進める」のである。


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