「ペッパーミル」ー小さなことを積み重ねよ
2023-03-21
仲間である証の共通した動きMLBではポストシーズンなどで勝ち上がるチームごとに
ヌートバー選手が提供したチームの牽引力として
WBCはいよいよ日本時間本日朝8時から、準決勝を迎える。宮崎合宿から1ヶ月以上、小欄でもWBCに注目した記事が多くなっている。だが正直言って、宮崎合宿の初日を現地で観た僕は不安が大きかった。投手陣はダルビッシュ有が先導役として、若手投手を牽引する姿勢が早々に見えた。その反面、野手陣の牽引者がいないことが大きな不安だった。2009年にイチローと彼を慕う川崎宗則がいたのとは大違いだった。さらに言えば、日系選手として合宿後に合流のヌートバーには不安を抱く先入観があった。MLB選手が日本代表チームに馴染めるのか?近本・松本・塩見など外野手として戦力になりそうな選手はまだいるのでは?とも疑問視していた。だがそこはさすが栗山監督である、事前調査などが入念であったのだろう。周知のようにヌートバーが合流したことで、野手陣の奮起に火がついた。それを象徴するのが本日の標題である「ペッパーミル」である。
あまりにも有名になったので説明の必要もなかろうが、「コショー挽き」の卓上装置を左右の手で捻るポーズをすることだ。元来の意味としては「小さなことを継続して積み重ねると好機が訪れる」ということだそうだ。料理を最後に引き立てる「コショーひと振り」の行為を億劫がらず積み重ねる。まさに日本で云う「一球入魂」を「食」に置き換えて、的確に伝え合うパフォーマンスなのである。BaseBallでは、いや日本野球では特に重視される姿勢そのものではないか。この「コショーひと振り」が野手陣を盛り上げ、誰かが牽引するのではなくチームの輪がある良好な雰囲気を作り出した。ヌートバー・タツジの試合前の声出しなども、僕はツイッターに映像をReTweetして何度も聞いている。MLBにはチーム内にこうしたジョーク的パフォーマンスが流行することがよくある。10月のポストシーズンを勝ち抜くには、こうした雰囲気が必須とも言える。高度なプレーでありながら「楽しむ!」と彼らが言えるのは、ジョークなどで繋がるからだ。などと考えて隙間のない仕事に追われたこの日は、まさに僕自身が「ペッパーミル」をくり返すような思いで過ごした。
ジョークを放てば心が解放される
重圧ばかりに押し潰されそうになってもコショーを挽いて笑う
「ねばならない」「絶対に」ではない、「小さなことを積み重ねる」のである。
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