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島にこそ宮崎の魅力ー島野浦島の教育

2023-03-03
延岡市北の浦城港より
高速艇10分・人口713人・世帯数404(実際には239とも)
「ひと・もの・こと」とつながる体験満載の義務教育学校へ

明治から近現代155年、「物・便利・速度」をこの国の人間は求め過ぎて来たのではないか。いずれも「自然」を無視した人間の強欲さが先立ち、海や川や山を汚して切り開き道路や電車や航空機で便利に速く移動できることを求めた。その結果、一見は自然災害のような人為災害を多く体験してきた。時にこうした近現代的な傲慢から離れ「無為自然」な生き方こそ素晴らしいと若山牧水の短歌などに学ぶことも多い。「なにも無いでしょ」宮崎に僕が移住した際に地元の人から投げ掛けられた言葉だ。だが「無為自然」に大きな魅力があるとするなら、宮崎はまだ「近現代の強欲から逃れた桃源郷」のような場所であるようにも思う。

九州でも宮崎県は地理上においても、長崎県や鹿児島県ほど人々が暮らす島嶼部は少ない。日南・大島のように以前は住民が生活し学校もあったが、今は無人島になってしまった島もある。そんな中で冒頭に記した環境の「島野浦島」に、従来からある小学校・中学校を統合し新たに義務教育学校が令和4年度より開校された。従来からの「島野浦小学校」は、国民学校時代から数えること148年の歴史があり、江戸時代などは九州ー瀬戸内海航路の寄港地としても栄えたらしい。この学校に9学年(小中)24人の児童・生徒たちが学んでいる。宮崎県はむしろ山間部の小規模校が多いが、今後の少子高齢化の波風を受けており、様々な面で支援が必要である。地域の教育に貢献すべき地方国立大学として、この県内の課題に真摯に向き合う必要がある。

以上のような背景から「島野浦学園」を学部の同僚2名とともに視察に赴いた。大学から車で約2時間、至近の高速インターから港までコンビニはない。どこが高速艇乗り場か?と思うほど素朴な桟橋に、綺麗に新築された日豊汽船のチケット販売所がある。波を搔き分ける高速艇で10分、まあここには「速い」という概念が侵食はしている。島の桟橋には先方の学校職員の方々が迎えに来ていただいていた。そこから車で10分もしないうちに新設学校へ到着した。(旧中学校があった場所)校長・教頭より学校概要や特色のわかりやすい説明をいただいたが、「島浦学」など此処でしかできない自然体験的な学びも教育課程に組み込まれ、まさに個々の児童・生徒が自らのペースで焦らない「個別最適な学び」を展開している印象を持った。さらに島の水産加工業の人々との交流や地元祭りへの参加など、地域との「協働的な学び」も満載である。授業中の校内見学を含め約2時間の視察であったが、この教育内容こそ学部学生に体験的に学んでもらいたいという思いを強くした。

昼食は「満月食堂」にて
魚の獲れない満月の夜には島民が集い楽しんだという由来から
宮崎の魅力がより集約的に詰まった無為自然の理想郷がそこにあった。


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