題詠「初」ー宮崎大学短歌会2023新年歌会
2023-01-14
新年「初歌会」場所を変え楽しみながら語りが弾む
歌壇賞受賞・久永くんがいる歌会として
宮崎大学短歌会2023年初歌会を開催した。新年ということもあり通常の開催場所の附属図書館から場所を移し、「初めての新しい」環境での歌会は実に新鮮であった。僕らが学生の頃は必ずサークル仲間が集うお店があり、多くの者が常連客として店とも親しい関係を結んでいた。そうはいうものの宮崎大学はキャンパス周辺にお店が多いわけでもなく、なかなか常連化するお店も見つけづらい。だが昨年12月に、個室環境があり歌会の議論をするのに最適なお店が新装オープンした。同店は僕が以前から店長と懇意にしており、「短歌会」であることに目をかけてくれている。未だ感染状況は侮れないが、附属図書館に次ぐ短歌会の馴染みの場所にしていく好機だと思う。さて、歌会は出詠12首・参加者11名と積極的な参加が嬉しい。題詠「初」にどんな学生の思いが載せられるか、議論が楽しみな歌会となった。
素材は「初めて」「初雪」「初夢」「初日」「初回」「最初」「初期化」「初日の出」「初」(重複省略)などの歌が並んだ。「初」は「人生に1度しかない機会」という意味合いを考えさせられる歌があった一方で、「初期化」という動作は「二度目」を作り出すものだという発見があった。また自らの思考や嗜好の傾向は無自覚に作られているようだが、実は胎教などの影響を受けているのではという歌があった。「ノクターン」という用語とともに人間の「意識無意識」の狭間を垣間見る歌として個人的には惹かれるものがあった。考えてみれば「初日の出」にしても、人間が作り出した暦の上で「初」なのであって、太陽の立場では日々の巡行をくり返しているに過ぎない。そうした意味で人間は些細な「初」に大きな意義を見出して、人生の出逢いを重ねていることになる。自由な発言が多様に出てくる歌会となり、環境を変えることの効用が大きいことを顧問として初めて知る機会であった。
やはりリアル歌会の学びは大きい
新人たちも鋭く活発な意見を投げる雰囲気
本年歌壇賞受賞歌人のいる日本で唯一の大学短歌会歌会である。
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