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箱根駅伝とラグビーと国立大学

2023-01-04
「決して良い環境ではない国立大学が準決勝まで・・・」
(ラグビー大学選手権TV中継アナの言葉から)
箱根駅伝出場校に見る私立大学のあり方のことなど

正月のTV番組といえばスポーツ中継で、とりわけ「箱根駅伝」は2日間のほぼ半日が無批判に流れているご家庭も多いのではないだろうか。概ね視聴率は関東で20%台後半、昨年大晦日の紅白歌合戦が35.3%で史上2番目の低さと報じられている。それからすると時間帯で差はあるものの、1スポーツ競技がこれほどの視聴率を上げるのは驚異的と言わざるを得ない。僕自身の意識でも箱根駅伝中継を観ていると主要なスポンサーのCMには印象深いものが多く、宣伝効果が高いことが窺える。よく見ると出場各大学のユニフォームには、スポーツメーカーを中心にスポンサーのロゴなどが貼られており、どうやら2021年からスポンサー取得と表示が可能になったのだと聞く。視聴率とスポンサードに注目するのは他でもない、まさに選手たちのユニフォームに表示される「大学名」においても大きな宣伝効果があることは間違いない。関東学生陸上連盟が主催ゆえに、関東地方の大学しか現状では参加できない。しかし、来年は100回記念大会ということから「関東以外」の予選参加を認めるということらしい。ともかく後の結果報道を含めて、箱根駅伝参加校の「大学宣伝効果」は実に大きなものがあることを認識すべきだろう。

既にお気づきだと思うが、箱根駅伝のほとんどの出場校が私立大学である。今回でも「学生連合」という参考記録として参加するチームに筑波大学の学生さんが1名入っていたのが、僕の気づいた唯一の国立大学所属選手であった。僕が懇意にする方で「筑波大学単独チーム」で箱根を走った経験のある人がいるので、予選会を通過して「筑波大」が参戦した年があることは知れる。それ以外はもちろん過去の記録を見返したわけではないが、現状では「私立大学」の独壇場な競技会となっている。前述した視聴率とスポンサードの商業主義的な数字を見ても明らかだが、多くの私立大学が学生募集の知名度を上げるという効果も狙っていないわけではない、などと穿った見方もできる。現に僕の初任校の高校がそうであったが、大々的に報道されるスポーツ競技で全国大会レベルの部活動があると、志願者の倍率がかなり高まるという現象があるのは確かである。当該競技の選手層のみならず、吹奏楽部やチアリーダーなど志願の学生たちが受験し偏差値も上昇する効果がある。箱根駅伝初日が終わって、全国大学ラグビー選手権の中継を観た。僕の母校は薄氷の勝利で決勝に進んだが、2試合目で筑波大学が帝京大学に大差をつけられ準決勝で敗退した。その際に、冒頭に記したような言い方をアナウンサーがしていた。当該試合の対決は、まさに商業主義的な学生募集競争においては蚊帳の外にある国立大学と典型的な私立大学の対戦でもあった。この国の大学のあり方を、ある意味で如実に表わした現象を正月早々から見せつけられたと言えるのかもしれない。

私立中高大学で育った身として考える
この国の国立と私立のあり方は果たして健全なのだろうか?
医学部の学費などに大きな差があることなど、世間が認知していないことも多い。


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