息を吸うための空っぽ
2023-01-03
「いったん空にすると、あとで思いっきり深呼吸のように、『いい思い』を吸い込めるというものです。」
(「ほぼ日手帳」本日付・糸井重里『今日のダーリン』より)
筋トレやストレッチをしていると、意識していないとついついしていないのが呼吸。これまで長くジムなどでトレーナーの方の指導も受けて来たが、誰しもが共通して言うのが「呼吸の大切さ」である。筋トレなら重量をあげる際に意識して「吐く」、すると自ずと下げる時に「吸う」ことができる。ストレッチも同様で「吐きながらゆっくり痛みのないところまで伸ばす」のが原則である。腹筋運動も起き上がる大きな動きのあるものは時代遅れで、息をゆっくり吐いて吸うことで日常で鍛えられない部位の筋肉に効果的である。水泳でも「吸う」ことを意識し過ぎると上手くいかず、「吐く」ことで自然に息継ぎは保たれるものである。人は「息ができないと生きられない」ゆえに、我欲が勝ると「吸う」ことばかりを考えるが、実は「吐く」ことで空にすることが肝心なのがわかる。「相手のために息を放つ」ことではじめて恩恵たる「自らのために吸う」ことができるのだ。
既に使用し始めて15年目となるのが、冒頭に記した「ほぼ日手帳」である。1日半ページの大きなスペースがあり、掛け替えのない日々を大切にするという概念で作られている。生活上の必要なメモはもちろん、短歌もWeb・新聞記事などからの引用や「To Do List(その日にやるべきことの列記)」など活用の幅は広い。大切なスケジュールはリマインダーのあるスマホのカレンダー機能を使用しつつ、手書きを喪失しないために手帳は貴重である。日々の下欄には冒頭に記したような時節に合わせた名言が記されている。「正月の過ごし方」ゆえに本日付ページに、「深呼吸」の内容が記されていたわけである。現代社会は「空にする」と思っても、なかなか上手くいかないことも少なくない。だが手帳の紙面に思っていることを「吐く」だけで、「吸い込める」構えができるものだ。箱根駅伝や大学ラグビーの状況を窺いつつ、この日は「年頭目標」などを「吐き出し」てみた。昨年はほぼ、75%は達成できたであろうか?「目標」を書くと達成するために必要な深呼吸ができるようになり、新春特集の短歌誌から有益な酸素をいただいた。
夜は両親とすき焼きで新年を祝う
家族・親族のこれまでの歩みなどの話題も
「今此処」に至るまでを「吐き出し」て新しい宮崎の息を吸うのである。
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