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「年賀状/SNS」という図式のこと

2023-01-02
「手書き/デジタル」=「万年筆・筆ペン/タッチ画面・キーボード」
「旧友/新しい友だち」=スマホ所持を境にした友だち境界線
手で刻む文字の行くへはどうなるのだろうか?

世間では年賀状の販売枚数が、年々減っているとの報道をみた。かくいう僕もほぼ100枚限定という感じで、この10年ほどそれ以上に増えることはない。僕がスマホを所持してほぼ干支がひと廻りしたが、SNSで繋がる「新しい友だち」についてはWeb上でのやり取りが年賀状と同様の役割をしているように思う。ゆえに元日は「年賀状」の構図めいた「初日の出」などの写真を投稿し、お互いに挨拶ができるような土壌を作り出したりもする。この日は、たまたまSNS上でやり取りをしていた教え子の嫁ぎ先である酒蔵の酒を、義姉夫婦が京都旅行の土産に買って来た。なんの気なしに「現在は海外在住で日本人学校で『国語』を教えている」という話題に、高校時代の「国語」担当教師として話しかけたくなったというわけである。それにしても縁というのは、誠に不思議なもので、進路相談で語り合った教え子の進学先の大学という人との繋がりが、こうした形で僕の前に突然に顔を出すのである。教え子と今も交流できているのはSNSのお陰であり、頑張る卒業生の姿が知られるという効用は大きい。

教え子を考えても、明らかに初任校の卒業生とは多くが「年賀状」で繋がっている。初めて担任をした頃の卒業生は、子どもらが成人を超えて立派に成長している者も少なくない。近況報告はほとんど1年1回の「年賀状」という「63円」の価値が活かされている。もちろんコメントに「会いたい」などの趣旨をお互いには書くのだが、なかなか現実にはそうもならない。こう考えると現状で「年賀状」で繋がっている人々とは、容易にやり取りを断ち切ることはできない。昨今は、宛名までデジタル情報からのプリントという形式が多くなった。場合によるとデータを提供すれば、年賀状印刷会社が「無料」で宛名まで印刷して販売してくれるようだ。だが100枚の年賀状を出すからには、僕は「手書き宛名&コメント」を必須としている。しかも万年筆などで「思いを刻む」ような書き方にこだわりがある。「学校のノート」がそうであるように、「手書きで文字を刻む」意義があると信じたい世代でもある。などと考えながら、SNSも疎かにせず今年も多くの人々と新年のご挨拶を交わしている。

出会えた多くの人々の今年
自分自身の「今此処」を定めるためにも
果たして「年賀状」が消える日は来るのであろうか?


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