それがあっての今日〜Yesterday2022〜
2022-12-10
「昨日があって今日がある今日があって明日がある」
2011年初演の際はともに舞台を観たマスターを偲び
声優TARAKO作・演出作品。赤坂レッドシアターへ、久しぶりに足を運んだ。確か2011年はサブタイトルだった「yesterday」にまた出逢うことができた。11年前は母校の大学近くで馴染みだった居酒屋マスター夫妻とともに、何人かの常連仲間とともに観劇したことが蘇った。そのマスターも、今やこの世から旅立ってしまった。あの頃の「昨日」は僕にとっては誠に孤独で、大学教員という仕事を無謀にも真摯に求め続けていた。ぶつけようもない焦燥と東日本大震災による社会的不安、そんな疲弊した心を居酒屋という場で聞いてくれたのがマスター夫妻だった。そんな中、この芝居が僕の「今日」を支えてくれる可能性を舞台で見せてくれた。「過ぎた時間 もう戻れないとこ」である「昨日」だが、確実に「今日」へ連なり「運命」に左右される人生を形作って行くのである。11年前にこの芝居を観て抱いた勇気、それを今あらためて思い出す。人は出逢うものすべてに支えられている。
「いとしい昨日」がある。と思えば、「記憶に残したくないような昨日」もある。いつも「自分」がその時その時に向き合ってきたはずなのに、「昨日」は様々な「昨日」がある。「自分」そのものが「定まったもの」と考える方が幻想であって、「転び方」ひとつで「今日」は多様に変化してしまう。「転び方」を間違えたと思ったら、どうしようか?「昨日」に戻ったら「自分」は違う判断や選択をするのだろうか?「運命」と思われるものは「変わるのか変わらないのか?」この喩えようのない人間にとっての時間の往還を、舞台はコミカルに描いていく。「明日、死ぬとしたら?」あなたはどう「今日」を生きるだろう?「今日」に行動を起こさなければ、「明日」に確実なものは何もないではないか。僕にとっての11年間、苦悶の末に宮崎に赴任して重ねた「今日」が「昨日」になった。思い立った「今」を大切にできているか?芝居の問い掛けに、また次々と「昨日」になって行く「今日」を生きる。
行ってみる逢ってみる
後回しに決してしないこと
TARAKOさんのメッセージが心に沁みた「今日」は既に「昨日」。
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