オンライン学会ー開催方式の葛藤
2022-11-20
自宅あるいは研究室他の所用をこなしながらも参加可能
終了後には語り合えない空虚感も
和漢比較文学会西部例会がオンラインにて開催され、例会前の理事会から参加した。感染状況を鑑みて例会開催方式をどうするかは、様々に議論されてきている。だが少なくとも半年前ぐらいから計画し発表者を募集し会場(開催方式)などを決めるゆえ、進む先の感染状況も十分には捕捉しづらい。どちらにするかとなれば「オンライン」がまずは安全なので、こちらが選択される場合が多くなる。会場校の負担はあるが、今年度はだいぶハイブリッド方式の開催も増えた。だが実際のところ準備をした対面会場へ足を運ぶ方は少なく、双方があると「オンライン」の選択に人気があるというのが実情である。僕自身も学会の大会開催校の経験があるが、会場を設定し運営するのはかなり大きな負担がある。会場校としては準備をしたからには、多くの方にご参加いただきたいと願う。そんな思いを考えるに、感染状況に左右されるこの2年半の期間はさらに複雑な思いと負担を強いられる学会運営である。
さて「オンライン選択」が多いというのも、ある意味で必然なのかもしれない。多くの大学の先生方は明らかに過去より忙しくなっている。休日にも説明会とかオンプンキャンパス、はてまた推薦入試と抜けられない校務があらゆる大学で増えている印象だ。もちろん行事にあらずしても、書類作成の負担が過去よりもかなり増量・煩雑であるという声も多く聞く。はてまた研究費の減額によって、必要な学会全てに出張することが難しい実情もある。このような学会に参加しづらい状況を、幾分かは改善してくれるのが「オンライン」である。自宅か研究室かの選択はあるが、とりあえず「オンライン」に繋げば部分的にでも参加はできる。何らかの校務があれば、全てを諦めなければならなかったのとは大きな違いがあり、特に「例会」などは断然に参加しやすくなった。よって今後も「オンライン」を併用する開催方法は維持されるであろうと思われる。休憩時間や発表終了後に「ブレイクアウトルーム」を設け、発表者や司会者が語り合う工夫も為されるようになった。それでもなお「終了後は一杯飲みながら語り合いたい」と思う向きも捨てきれない。オンライン参加の微妙な思いは、今後も続くのだろう。
自宅で宅配を受け取ることも可能だったり
時間と労力の上では大いに効は多いのだが
終了後は近所の親友と一杯と相成った
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