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抑止と挑発という相互の独善

2022-11-19
10時16分ミサイル発射69分飛行
北海道渡島大島の西約200Km日本のEEZ内に落下
「挑発行動は断じて容認できない」という表現はするが

自分に実害が生じる場合、その対象となる行為を必然的に憎む感情が湧き起こる。今月3日に宮崎から仙台まで移動する最中、北朝鮮のミサイル発射に伴い交通機関に安全確認のための遅れが生じた。夕刻からの「桑田佳祐ライブ開幕(仙台セキスイハイムスーパーアリーナ)」に計画通り時間に余裕を持って交通手段を利用しようとしていた僕たち夫婦は、その影響による遅延を甚だ心配した。宮崎空港でその報に接した僕は、まず羽田空港までの空の便に影響が出たら致命的だと気を揉んだ。幸い予約便は予定通り飛び立ち、乗客の乗り込みがスムーズだったお陰で予定より5分以上前に羽田空港に到着した。次は東京駅までの交通機関、モノレールも山手線もスムーズに僕らを運んでくれた。新幹線チケットは既にネット予約でスマホやICカードへ紐付け、みどりの窓口にも並ぶ必要もなく、東京駅で焼売弁当を並んで買う余裕まであった。しかし新幹線乗り場に行くと、「安全確認のために東北新幹線は10分程度の遅れ」という表示とアナウンス。ホームの混雑が影響し他のトラブルも生じ、結局は20分以上発車が遅れた。まあ問題ない範囲、と余裕はあったが、新幹線利用でさらに急いでいる人々には影響のある出来事だったであろう。

日本ほど「交通機関の定時運行」が遵守される国もない。その律儀な企業努力が、「ミサイル発射」という暴挙で不意にされる。北朝鮮がミサイルを発射するコースが、上越・東北・北海道という方面にかかるわけで必然的に「Jアラート」が警告が鳴る率も高い。(宮崎では今のところ経験がない)自ずと当該方面に住む方々と、意識も異なるように思う。先日のポーランド領内への着弾を見ても、ミサイルの命中精度がどれだけ高いのかと思う事例もある。「渡島大島から約200Km」という今回の着弾位置は、周辺を含めて住人たちの生活を脅かす。僕の親友も北海道西岸・岩内というところに住んでいるのでまずは彼の顔を思い浮かべた。果たしてどのくらいの精度でその位置を狙う意図がありミサイルを発射しているのだろう?何とか抑え込めないものか、と考えるのが人情である。この一連のミサイル発射行為を、「挑発行動」というように呼ぶ。北朝鮮の立場からすると、「米韓軍事演習」の日本海での実施を同様に認識するのだろう。「核保有」の問題を含めて大国が「抑止」だと正当化すれば、大国との関係を対等にしたい国は自らも同様の理屈で「挑発行動」に出るわけである。出口の見えないウクライナ侵攻を見ても明らかだが、武器使用をする以上、「抑止/挑発」の表裏一体の大義合戦が続くだけだ。「味方側は正しく敵方が悪い」という幼い諍いの理屈と何ら変わらない。この国の過去では「鬼畜米英」と言って国民に信じさせた。だが敗戦を機に「神様米英」の国になった。表と裏はすぐに反転するのだ。そんな歴史的経験がある我が国だからこそ、「表裏」に囚われない成熟した「外交理性」を発揮すべきなのであるが。

「抑止」のためだと「反撃」の力を持つという愚策
「挑発行動」の意図にまんまと乗っかってしまう愚弄
相互が「独善」を自覚し理性で対話する「大人の外交」がなぜできないのか?


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