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手先の器用さに対する思い

2022-11-10
幼稚園から絵画教室に通い
小学校では理科工作クラブにも
手先の器用な父のことをいつも意識しつつ

今度の13日(日)に宮崎市内にて、若山牧水に関するトーク&朗読と音楽会のコラボ企画が開催される。県内外で活躍される演奏家の方々が企画・主催し、今月3日に叙勲を受けたばかりである伊藤一彦先生とともに登壇をする誠に光栄な機会である。僕自身は「牧水トーク」に加えて、牧水の日常の声を再現するごとく親友宛の書簡を朗読する。あらためて『書簡集』を読み、若き日の恋や晩年になって母への思いが述べられている部分を選び出し、しばらくその呼吸感を考えていた。朗読箇所をPCであらためて文字として打ち込み、事あるごとにその「口調」を声に出して再現して来た。いよいよ前週となったので、PC打ち込み原稿を本番用に拡大しページ割をして綴じ込む作業をする段階になった。一昨日に附属中学校へ赴いた帰りに、書道専門店に立ち寄り表紙用の綺麗な料紙も購入した。午前中の非常勤先での講義を終えて研究室に帰り、大学生協でまずは板紙と製本テープを購入。教授会のない水曜の午後は、さながら製本加工の時間となった。

いつからか?「自分は不器用である」という先入観に支配されている。だが研究者となってから「思い込み」で判断してはならないことを悟り、自分のことでも「決めつけ」はしないようにした。もとより建築業に従事していた父は、実に手先が器用なのである。工事の寸法をわずかでも違わずに仕上げる腕は、見事なものだと子どもながらに感心することが頻繁にあった。また生活でも僕ら兄妹の耳掃除など、父の手先の器用さは随所に発揮されていた。大学時代に僕が工事現場に手伝いに行った際、床に貼る建築資材を「何メートルで切って来て」と職人さんに言われて、僕は材料を積み込んだ商用車でその作業を敢行した。確かに測ったつもりであったが、だいぶ長さが違っていたと後に職人さんが言っていたことを知った。まあ間違いなく性格的に「長め」に切ってしまったので、資材を使用することは可能であったはずだ。このように「不器用」を曝す経験がいくつか積み重なり、先入観が固定していた。だがこの日の作業、朗読用の製本はなかなかの仕上がりだと自負している。実は幼稚園頃から絵画教室で色使いを繊細にするとか、小学校の際の理科工作クラブで「ホーバークラフト(現代ならドローン)」を製作し実験を重ねていた経験もある。プラモデルで映画「トップガン」のF14戦闘機を、色まで塗って見事に仕上げたこともある。かくして「朗読本」が出来上がった。秋らしい色目の表紙となる料紙に題箋まで付し、落款を押して仕上げたのだった。

牧水の声をいま蘇らせる
書簡を元に仕上げた朗読本を片手に
3日前となったが今から公演が楽しみである。
(*ちなみにチケットは完売とのこと)


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