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テーマ詠「衣更え」宮崎大学短歌会11月例会(1)

2022-11-08
南国の秋「衣更え」にありがちなこと
ポケットに残るものとか身に纏うものへの畏敬
昼と朝晩の寒暖差を実感するなかで

宮崎大学短歌会11月例会、今期は月曜日を開催日として隔週にて歌会が持たれている。出詠10首、参加5名、テーマ詠「衣更え」であった。上級生は忙しい時期でもあるのだろう、参加者は1・2年生が中心となり、新たな時代の運営に希望が持てる展開にもなっている。また「牧水短歌甲子園」経験者で大学職員になった方の参加もあり、多様な仲間が増えて新鮮な環境でもある。サークル活動の継続というのは、意図して上手くいくものではない。日々の地道な活動が波紋を広げ、次なる人々に届いていくかどうか。短歌が世界でここにしかない表現であるとしたら、小さな邂逅を重ねることの魅力に満ち満ちている。サークルの継続もそんな偶然の連続のような気がしている。さて、今回のテーマ詠は「衣更え」、詠草など学生のうちでは「衣替え」の漢字が使用されていたが、やはり「更衣」という平安朝以来の語彙として「更え」を使用したい。季節の「うつろひ」を旨とする日本文化において、大変に重要な概念であると思っている。

僕自身がそうであるが、宮崎に移住して「衣更え」の感覚にだいぶ変化が生じた。春夏仕様の着用期間が長く、真冬の衣服の使用期間が短い。感覚としては「春秋」がいつなのだろう?と思うほど、急に暑さと寒さが到来する印象だ。ここ最近でいえば、日中の20度超えは「暑さ」を覚えるのだが、朝晩は「冷え込み」を実感する。昨日も歌会を終えて図書館を出る際には、「寒い!」と学生らと言い合ったのが象徴的であった。さて出詠で高点を獲得したのは、「衣更え」を経てポケットに残ったレシートを巧みに詠んだ歌。意図して残した訳ではないレシートが、実は自らの生活の貴重な記録なのだという存在価値を考えさせられた。また、「エビフライの衣」に素材を求めた歌には、「衣服」が文化人類学にどうか?我々は「命」に「服」を纏っているのだということを深く考えさせるものだった。「半袖長袖」という選択をどうするか?その併用期間に取材した歌もあり、我々の生活に密着して「衣更え」は重要な文化であることが感じられた。

箪笥の中にしまい込む感覚
制服が冬服になった冴えた引き締まる様子
先の季節へを待つこと、そこに希望と期待がある。


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