「関係の質」を高めるということ
2022-11-02
「対立・押し付け・命令・指示」が増える(関係)「創造的思考」がなくなり「受け身で聞く」だけ(思考)
「自発的・積極的」に行動しない(行動)
妻が研修で学んだことから、「組織の成功循環モデル(By:ダニエル・キム、MIT教授)」を知った。これによれば「組織の結果を高める」ためには「関係の質を高める」ことが肝要だと云う。冒頭3行に記したのが「悪循環」の3要素で、その先では「さらに成果が上がらない」ことになり「関係がより悪化」して「なすり合い」や「自己防衛」に走ることになる訳である。実に驚いたことには、この「組織論」はそのまま「学校の学級や授業」に的確に当て嵌まるということだ。先生が「対立的」に「押しつけ」て「命令・指示」をする学級では、必然的に「児童・生徒間」でも他者抑圧的な言動が蔓延るのであると、学部のプロジェクト研究報告会の発表で聞いた。すると授業でも「創造的思考」はなくなり、黙って「受け身で聞くだけ」となる。その先で児童・生徒が「自発的・積極的な行動」をすることはない。ひたすら「指示待ち」となり学級は沈滞する。現在標榜されている「主体的・対話的深い学び」とは正反対な学習とならざるを得ない。
どんなに高次元の学習指導案を構築したとしても、指導者と学習者が「関係の質」を高めなければ「良質な結果」が出ることはない。前述した「悪循環」の反対を行えば、自ずと好循環となる。それは「互いに尊重し結果を認め一緒に考える」(関係の質)から「気づきがあり共有され当事者意識がある」(思考の質)となり「自発的・積極的に挑戦・行動する」(行動の質)に展開し「成果が出て」くると「信頼関係が深まる」ことに至り「さらに良い発案が生まれる」という訳である。このことはふと、夫婦間という小さな単位の「組織」でもいえるのではないかと思った。些細な家事においても「互いに尊重し結果を認め一緒に考え行動する」ことを心がけることで、「なすり合い」や「自己防衛」に走ることはなくなる。例えば夕飯を作るにしても「当事者意識」があれば、「自発的・積極的に挑戦・行動」をすることができるわけだ。10月から11月となった気の変転から、思いがけずこのような意識を持って家事に取り組んでみた。ともに忙しい中において、「なすり合い」や「自己防衛」は最悪な図式である。世間でも好循環を成している組織を、僕は自ずと選択をして利用するようにしているようにも思った。
相互の尊重と協働で考えるということ
一部の者に負担が集中すれば自ずと疲弊し危うい結果に至るものだ
まずはあなたの身近にいる人との「関係の質」を変えてみませんか。
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