よきものは引き継がれるー「昭和の活力」に光を
2022-10-27
「古典」が世に遺されているように今の学生が「山口百恵」が好きだと言う
あの活力と自由と均衡の時代を未来へ引き継ぐために
『図書新聞』なる業界紙に昨年暮れに出版した著書の広告が出たと、出版社から郵送されてきた。今年も「クリスマス」2ヶ月前となり、「季節もの」としてさらなる販促に力を入れてくれたようで嬉しい報せであった。自らの著書がどれほどの売れ行きか?というのは目に見えず測り難く、通販サイトのレビューの星の数を見る機会も少なくない。また東京へ行くと大手書店に入り、自著が在庫にあるかなど確かめる。反響の多くは講義でテキストにしている学生たちで、前期の本務大学の基礎教育科目110名程度には自著に沿った内容を展開した。また後期は非常勤先の大学での基礎科目「文学」20名程度において、テキストとして使用している。こちらは前提となる若山牧水や恋の歌について10月中に3回講じてのち、来月より1章から内容を講義化していく。するとちょうど今年のクリスマス前に、短歌もJ-popもクリスマスに関する内容を実施できて、学生たちはその味わいをクリスマスに持ち込むことができるという計画だ。また後期公開講座「牧水をよむ」の第3回目が12月24日に当たり、ここでは「出版1周年」のスペシャルクリスマス講義を、ゲスト講師に伊藤一彦先生をお迎えして実施する予定である。
自著には「1980年代のクリスマス」を取り上げる章がある。当時のJ-popを紐解くうちに、自らの若き思い出や80年代の前提となった70年代、つまり「昭和」の素晴らしき文化的世相を語ることになった。家族による「ホームクリスマス」が盛んだった60年代から70年代、まさに「テレビ」の時代であって、凄まじい視聴率の「8時だよっ!全員集合」のことなどにも触れている。ここのところ小欄にも追悼文を記したが、仲本工事さんそしてアントニオ猪木さんなど、「昭和」を活気づけてきた人々が次々と世を去っている。そんな悲しい機になおのこと、「昭和」の素晴らしきものを次の世代に引き継ぐ役割は僕の世代の責任ではないかと考えている。昨日の非常勤先の講義で「サザンのことを知っているか?」とか「君たちの世代で好きなミュージシャンは誰なのか?」などの問いを発したところ、ある学生が「山口百恵」と答えて感心した。以前にもゼミ生らとカラオケに行くと、「百恵ナンバー」を上手く唄う学生がいた。まさに昭和を生きた親たちが子どもらに伝承しているということらしい。また最近の「昭和」を特集した歌番組なども多く、その影響を受けていると云う。非常勤先から本務校に戻る際には、実に「秋桜」が綺麗に咲き誇っていた。「昭和は遠くなりにけり」ゆえに、「古典」の伝承のようにその文化を先の世代に手渡したい。
政治家なども大物が多かった
均衡がもたらす「平和」と「成長」の時代
まさに現代短歌史として1300年の歴史の上で「昭和」を考える。
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