プラスチック海洋汚染の罪
2022-10-26
宮崎は北太平洋2番目のウミガメ産卵地(1番目は屋久島)打ち上げられたカメ・イルカ・クジラの胃袋から汚染プラスチックが
僕たちが日常で目にするお菓子の袋から釣り餌の袋まで
宮崎の海は綺麗だ、と我々は平然と言う。宮崎の海の綺麗さを、私たちは短歌によって表現し伝えようとする。だが昨今はよく、「科学的エビデンス(根拠)」が諸方面で求められる世の中になった。「綺麗だ」とは「日常語」であり、現代短歌ではこの言い方は通用しない。言い方を換えるならば、我々は日常語としての「綺麗だ」という言葉にあまりにも無責任である。世間では「インスタ映え」の用語に象徴的なように、表面的な写真の美しさを競うような時代に入った。問題は「表面的」の奥で我々は、自身の手で汚染を進行させてしまっている「罪」を背負うということだ。宮崎の海を美しいと写真を撮る前に、私たちがすべきことがあるのではないか?今日は「プラスチック資源」のゴミ回収日であるが、たかが1週間で大きな袋にいっぱいの「廃プラ」を僕の家からも排出する。減らしたいとは意識していても、日常生活をするだけで必然的に溜まってしまうのが消費社会の現実だ。収集されるならば適切に処理されるのであろうが、ストロー・ポリ袋・人工芝の破片、それに洗顔「スクラブ」までが「プラスチック」なのだと知り、意識できないうちに汚染を広げているのかもしれない。
所属大学で「イブニングセミナー」という、学内外へ学部融合テーマを発信する行事が開催された。オンラインでの開催であるが、それだけに学外の遠方の方でも参加できる利点がある。今回のテーマは「環境問題」、「リサイクルと地域環境」「森林とミツバチ」「ウミガメとイルカと海洋ゴミ」のそれぞれのテーマで各分野の先生方から発表があった。特に「ウミガメとイルカ」については学部で親しい理科教育講座の先生の発表でもあり、前述のような意識をあらためて深く持ったのである。宮崎に移住して、僕自身も東京ではあり得ない美しい空気の中で生きている。同時に東京では見たこともない巨大な蜘蛛とか百足などに、家で遭遇する経験もした。虫たちが生きられるということは、それだけ澄んだ環境があるということ。虫嫌いな僕であるが、最近はだいぶ寛容になることができた。そして宮崎の海の美しさには、明らかな根拠があることを知った。冒頭に記したように「北太平洋2番目のウミガメ産卵地」であるというのだ。それも僕が馴染みのある青島から日南方面にわたり、産卵地も少なくないと知った。だが残念なことに死んで打ち上げられたカメの胃袋からは、ポリ袋などが発見される。それが直接の死因かどうか?は特定できないという話であったが、イルカやクジラを含めて海洋生物が「廃プラ」を食べてしまう現実をなんとか僕たちの手で回避しなければなるまい。世界的に有名になった動画「鼻にストローの刺さったカメ」に啓発され、「紙製ストロー」などの活動が始まったことはよく知られている。家庭からの洗剤の排出なども含めて、僕たちはまずは身近な宮崎の海を護らねばならない。
SDGsと号令ばかりではなく
水の循環という自然の豊かさを見つめ直そう
ウミガメ・イルカ・クジラなど多くの海洋生物の生活する海という意識を深めよう。
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