再会を求めて探し当てる親友
2022-10-12
大学学部時代の友人記憶にあるのは彼の結婚式に出席したこと
県立学校勤務で異動が公示される仕事ゆえ
その昔「それは秘密です」という番組が、お茶の間のゴールデンタイムに放映されていた。落語家・桂小金治が司会を務め、それなりの人気を博していた番組であったように思う。なぜか僕が幼少時の我が家では、幾つもの民放チャンネルがある中でこの番組を必ず観ていたと記憶する。現在のバラエティー番組のように下世話な芸人の盛り上がりではなく、まさに昭和感のある「人情」をテーマにした内容だった。番組は長年会えなくなった肉親・友人等を探すというのが目的で、出演する一般視聴者の「秘密」を語り大切に調査して再会を果たすという経過が披露されていく訳である。戦後30年ほどの時代であるゆえ、戦争前後で家族が離散したままの方々も多かったということだろう。僕の両親はこの番組を観て、必ず眼に涙を溢れさせ感激をしていたものだ。しかし、僕には「泣ける」理由がまだ幼少でよくわからなかった。母が特に甚だ泣くので、合わせなければと泣く真似をしていたような感じだった。未だ個人の情報網の少ない昭和ゆえ、この「再会」というものが実に稀少で大切なものだと、ようやくこの年齢になって想像ができるようになった気がする。
今週末は、「中古文学会」が対面開催される「山口大学」まで出張する。九州から山陽と近いようだが福岡経由で行くことになり、宮崎からは一度も訪れたことがない。せっかくの機会なので、大学時代の親友が山口県で教員をしているのが思い出された。以前に会ったのはいつのことだろう?記憶を遡り思い出せるのは、彼の結婚式に出席したことだ。忘れもしない阪神淡路大震災の1ヶ月後で大阪ー神戸間の鉄道が寸断されており、礼服をリックに背負って約11Kmを歩いて山口へ向かった。大学友人代表でスピーチも行い、友人や先輩と楽しい披露宴となったと記憶する。その折からすると今年で27年目、前述した「それは秘密です」の再会からするとまだまだの年数かもしれないが、ようやく人生の再会の意味が僕にもわかってきた気がする。年賀状などのやり取りも途絶えていたので、まずは彼への連絡をどうするか?と頭を悩ませた。幸い県立学校の教員なので「異動」がネット上で検索をすることができた。たぶん現勤務校だろうという学校を探し当て、この日は昼休みに電話を入れてみた。受話した事務の方が「どのようなご用件でしょうか?」と問われたので、正直に事情を話した。しばらくすると、電話口から親友の声がした。「(勤務先が)どうしてわかっちゃったんだ?」と彼は不思議そうであったが、簡潔に探した経過や僕の現状を伝え、ともかく次の日曜日に会うことを約束した。
人生のあの頃をともに生きた親友
27年の距離は僕たちに何を感じさせるだろうか?
研究学会を対面で各地に赴く意義はこんな点にもあった。
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