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題詠「空」ー宮崎大学短歌会9月例会(2)

2022-09-21
「大空」のことと「空っぽ」のこと
題詠の文字を初句の最初に使用するのは?
「空の青海のあを」牧水の「空」と「海」と

宮崎大学短歌会9月第2回目の例会、本年度は夏季休暇中ながら前期の定例火曜日開催が安定して継続実施されている。オンライン開催という効もあるようだが、参加者としては帰省しているなどの理由でやや少ない。それでも継続することに、大きな意義を覚える機会となる。出詠10首、参加者7名、題詠「空」の歌が並んだ。題詠を決めた司会担当者によると、多様な「空」の歌が出ることを願っての設定という。だが、全体的にみて「大空」のことを詠む歌と「空っぽ」を詠む歌に二局化した結果となった。「多様な」という意味では、「空気」「空白」などの語義に関連した歌があってもよかった。そんな中で「空中給油機」の歌があったのは、個人的に惹かれた。ただしこの世界情勢にあって、軍事装備を讃えるかのような歌を詠う意義については一考すべきかもしれない。

以前に心の花全国大会に参加した際、選者の谷岡亜紀さんが言っていたこととして「題詠の漢字を歌の最初に置くことの疑問」を思い出し、この歌会でも学生たちに紹介した。谷岡さんはその折に詳細な理由は述べていなかったが、題詠の文字を活かすために一首全体の構造を捉え十分に考えた上での表現かどうかという趣旨であったように思われる。今回の10首の中で、初句の最初に「空」が置かれた歌が4首と半分近くに及んだ。学生らの批評の中で、冒頭に「空」を置くとどうしても「景色の説明」になりがちであるというものがあった。一首全体で言いたい「心」を表現するのが「歌」だとするならば、「人の心」を「種」とせず「文字の説明」に流されて行くという傾向を帯びやすい。短歌構造全体において、「空」をいかに活かしイメージを膨らませ、言いたい「心」を韻律に乗せて言うかが肝要ということだろう。新たに牧水短歌甲子園経験者も加えて、充実した歌会は2時間半に及んだ。

歌会あれば咏い続けるという意義も
この夏季休暇のうちに新たなメンバーも増えて
後期10月からは曜日を変えて開催予定である。


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