俵万智さん連載「海のあお通信」73回「若山牧水賞」
2022-07-27
新聞休刊日で火曜日に掲載一段目に自らの名前を引用いただくありがたさ
宮崎に生きてこそ・・・
宮崎日日新聞に通常は第4月曜日に掲載される俵万智さん連載「海のあお通信」、新聞をポストから出し一面に案内欄があるので何より先に25面を開き読み始めた。10行ほど読むと所属大学名入りで自らの名前が文面に刻まれているのを発見し、朝から誠に嬉しい気分になった。「何が?」と朝食の準備の台所に立つ妻が言うので、そのまま10行ほどを音読して聞かせた。内容は小欄の7月19日付記事で紹介したことでもあるが、伊藤一彦先生が受賞者紹介のスピーチで「これは宮崎大学の中村佳文先生が気づいたことなんですが、7月18日というのは牧水の第一歌集『海の聲』の発行日でもあるんです。」(以上、俵さんの連載から引用)という気づきの紹介である。実を言うと「海のあお通信」には、「友人に勧められ(その友人が僕)」とか「主催する学会(主催したのが僕)」などと間接的に実名はわからないように僕自身が登場したことは何度かあった。だが今回も伊藤一彦先生の紹介スピーチの内容とはいえ、字数に限りがあるコラムに実名で登場させてもらったのは、誠に栄誉なことであるように思う。
奇しくも俵さんの著書『あなたと読む恋の歌百首』(文春文庫2005)テキストにしている前期15回「日本の恋歌ー和歌短歌と歌謡曲」の最終回を迎える日であった。この日にはなるべく多く受講学生からの声を講義で紹介し、その質問などに答えていくという視聴者参加型ラジオ番組の趣向で進行。「恋」を短歌で「体験」できて大変に貴重な機会であったという声をはじめとして、比較対象として紹介した「歌謡曲が胸に刺さった」などという声も多かった。この講義で扱った曲を自らの音楽プレイリストにダウンロードするとか、短歌が身近になり親しみが持てたなどという声も多く誠に嬉しかった。それもまた俵万智さんの著書において学生に受け入れやすい「恋の歌」が選歌されており、その評がわかりやすくかつ深く書かれていることにだいぶ助けられているように思われる。今年で4年目となる講義は、初年度120名、2年目240名、3年目150名、今年は100名と累積すると既に約600名の受講者となる。同文庫はちょうど講義を始めた年の2019年8月に5刷になっているが、僅かながらでも売り上げに貢献できているようだ。最終回の講義課題は題詠「日」の短歌、宮日俵万智短歌賞へ応募することができる当該の題詠である。「短歌県づくり」において俵さんは欠くべからざる大きな存在だが、若い学生たちが一人でも多く「短歌」を愛好してくれることが、全学部対象科目としての大きな目標にもなっている。
早稲田の縁・みやざきの縁
お互いに宮崎の食材を通した交流も
本当に宮崎で短歌に関われる自らのこれ以上ない運命を感じている。
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