清潔一掃を求めすぎた近現代ーカビ取りの理屈
2022-07-26
風呂場などの塩素系カビ取り剤を使用して大変に綺麗になるが人間にも「まぜるな危険」あり
近現代約150年が成して来た清潔一掃がもしやいま地球を
最近よく聞かれるのが「ウイルスを必要以上に恐れない」という謳い文句である。約2年半の間、全世界が新型コロナに翻弄されて来たが、「適切な付き合い方」を意識せよということなのか。もとより細菌と共存して生きている人間が、細菌を排斥したら自らの存在意義を危うくしかねない。腸内細菌が免疫力に大きく作用していることも、やはり科学で明らかになって来たことだ。「ゼロコロナ政策」を採れば自ずと、強制的な隔離や排斥主義による感染者への選別が実行されることになる。実行されることは子ども間の「いじめ」にも類似しており、「感染」を悪と決めつけ対象を排除するという図式である。折しも新たにWHOが「新型コロナ」からこれほど短い間隔で「緊急事態宣言」を出した「サル痘」なる感染症が、国内でも一例目として確認された。世界的に「根絶」が宣言されている「天然痘」に似たウイルスなのだ、との情報が一般的である。まったくの素人考えを承知で記すが、もしや「根絶」されたゆえに亜種となって再び世界に流行するという理屈があるとしたら、「SARS」の亜種としての「新型コロナ」というのも理解できる。結局は「根絶」「撲滅」しようとする人間の考えが、ウイルスの立場では「猿知恵」に過ぎないのかもしれない。
先の日曜日に、自宅風呂場の床を清掃した。床材のメジにカビが発生するので、カビ取り剤を散布する。しばらくおいて水で洗い流すと実に綺麗にカビは一掃されるので、重宝している家庭用漂白剤の一つである。だが周知のように、使用には注意が必要だ。肌に付着しないように手袋、発生するガスを吸い込まぬようマスク、可能なら目など粘膜への飛散を防ぐためのゴーグル、などが推奨されている。また所謂「まぜるな危険」という表示は、酸性タイプの洗剤と混ぜると有毒ガスを発生するという警告である。ある意味で「化学」の基本的な知識をもって使用しないと、人体にも害を及ぼす可能性があることを知るべきだろう。過去には「有毒ガス」による事故などの事例の報道に接したこともある。確かに大掃除でやや大量に散布した際に、気分が悪くなった経験がある。便利な製品であるゆえに、あくまで適切な使用を遵守する必要がある。気になるのは、「根こそぎ」という発想が「天然痘」などと同一であるということ。あくまで「根絶」は一瞬の幻想に過ぎず、カビがまったく無くなることはない。むしろ、こうした化学的な近代化による「清潔一掃主義」が蔓延った果てに、地球はいつしか異常な高温となりウイルスは再生のために強化され現状のような世界的なパンデミックの要因になってはいないかと憂えるのである。
「持続可能な社会(SDGs)」と喧伝するからには
現状が「持続不可能」であるという警句を含むのではないか。
「サル痘」が僕たちの新たなる憂えにならぬよう理性ある対応が望まれる。
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