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平和の鐘を鳴らし続ける歌を届ける

2022-07-13
「長崎の鐘」(唄:藤山一郎・作詞・サトウハチロー・作曲:古関裕而)
「戦争を知らない子供たち」(唄:ジローズ・作詞:北山修・作曲:杉田二郎)
世代を超えて伝えたい歌たち

前期基礎教育科目「日本の恋歌ー和歌短歌と歌謡曲」も13回目の講義。残すところこの日を入れて3回となった。約4週間後の〆切を明示し、学期末レポートの要項も発表した。昨年度はハイブリッド方式で対面に来る学生は限られ、多くがオンラインで受講する形であった。一昨年はほとんどオンデマンドで、音声録音したラジオDJのような形式で意外や意外、学生たちからは好評であった。今年度は学部講義棟で最大の300人以上の定員の教室を使用し、座席に余裕を持たせてすべて対面講義で実施してきている。擂り鉢の底のように上から見下ろされている形状の教室は、なかなか学生の反応を見ながら喋ることが難しい。教壇のタブレット画面の資料を見ると、自ずと上を向くのは厳しい状態だ。穏やかに迫り上がるならまだしも、急斜面のような角度に学生は前の5列ぐらいには座らないので、せいぜい中段にある通路以前に座る学生の反応を確かめるのがやっとである。この教室の形状は「一方的な講義形式」を導く、現状の大学講義では避けるべき教室であるともいえる。だがそれを逆手に取るために、エンターテイメント満載の講義となるよう工夫している。

この日は「生まれ変われたらまた恋もするでしょー恋とかの夏」と題し、サザンオールスターズ「蛍」の楽曲を課題曲として据えた。「かの戦争」から77年経過した今年、多くの学生が「第4世代(祖父母が戦後生まれ)」ともいえる時代になった。僕は「第2世代(父母が戦争経験者)」と「第3世代(祖父母が戦争経験者)」の中間ぐらいだと認識している。父母は「小学生」ほどの年齢で戦争を体験し、疎開や食糧確保に苦労を強いられた世代である。だが「機銃掃射を受けたが、他の家に転がり込み助かった。」という父の体験を聞くに、「もしその際に少年の父が命を落としていたら」ということを考えると、僕自身が「戦争体験者」であると今年も学生に話した。小学生になったばかりの少年を航空機から「機銃」という圧倒的な凶器で殺そうとする「狂気」、それが人間が引き起こす戦争の実態だ。もとよりどのような理由があれ、凶器によって人を殺めるということの許され難き行為。近現代と言われてこの国も154年目、平和な世界を求めた歩みはより成熟していかねばなるまい。そんな願いに反し、世界情勢に戦火が上がり、国内では「暗殺」という卑劣な行為に衝撃を受ける社会。「人間の欲望」と「人を怨み攻撃する」という所業は明らかに表裏の関係にある。「平和の鐘」を鳴らすということは、「人を恋し愛する」気持ちをあらゆる人が持つということだ。世の中に過剰な「差別」や「他者否定」が蔓延ることこそが、「戦争への第一歩」となってしまう。「恋し愛する」とは一人ひとりが眼の前の人を「大切にする」ということだろう。

世代間で引き継ぎ語らねばならないこと
短歌に思いを載せて「平和の鐘」を鳴らし続ける
学生たちにどんな「声」が届いただろう?課題は題詠「声」の短歌である。


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