2011年元日の志
2011-01-02
1日(土)1年の計は元旦にあり、というなら元日にすべきことは何だろう。「計」はもとより「計画・企て」という意味であるから、この1年をどう過ごすかという考えを新たにすべき日といえるのかもしれない。大晦日夜の流れで、元旦に掛けて「朝まで生テレビ」を観ていた。かなり以前からこの番組を、観ることは好きだった。なぜなら、社会に対してどのような問題意識を持って新年を過ごすべきか、という点を自らの中で明らかにしたいという願望が強かったからであろう。この日は、Twitterでフォローしている論客も参加しており、より番組内容が身近に感じられた。当人が家からテレビ局に行く際の呟きなども見ていたから、尚更であろう。議論の内容でもWeb社会の有効性などが語られており、番組がTwitterで意見を募っていたのも新たな試みだ。
ワインを飲みながら、そんな心持ちで番組を見続けていたら、いつのまにか夢うつつになっていた。すると、自分自身が番組に出演している夢の中にいた。有名どころで矢継ぎ早に意見を述べる論客には及ばないが、その一席に座り、自分が得意とする教育やコミュニケーション分野で少々の意見を語る自分がいた。夢は次第に番組終了後に及び、他の論客たちとテレビ局ならぬ大学キャンパスのような場所から帰宅する場面となった。ふと現実に戻ると、番組が丁度終わった朝6時過ぎになっていた。元旦の夢は初夢とは言わないが、何とも面白い夢を見たものだ。
そのお陰で、そのまま暫くベッドで寝た。起きたのは午後だった。
小欄の更新。新しい手帳の整備。年賀状を見たりしているとあっと言う間に夕方になった。
午後7時からは、「イチロー特別対談」(NHK・BS1)。糸井重里氏がイチローに対して様々な視点から質問をした。以前から糸井氏のTwitterを見ていたので、この番組にも親しみが持てた。野球選手として、人間として、小生はイチローを尊敬しているので、尚更番組に没入する自分がいた。イチローは、常に「見られる意識」を持っているという。ゆえに死に顔は他人に見せたくないという。見られて美しいかどうか、それがイチローのプレー・行動の大きな価値基準である。ともすると、このあたりが一部の人々から嫌悪される原因なのかもしれないが、内容が伴った上で「見られる意識」が高いということこそ、プロとしての意識が高いことにもなる。
アメリカでの生活が10年に及び、当初は褒めちぎるアメリカ人たちが、次第に批判をするようになった。これこそアメリカで生活することの実感のようであった。年齢のことについて、盛んに質問されるようになった現状を思い、同期生の友人を見て腹筋を毎日始めたなどというのは、普通の37歳を感じさせる。また、「7・8割の力でやって100のものを出す」という感覚があるようだが、その意識には共感した。
そして何より感激したのが、自らが記録を塗り替えた、年間最多安打のメジャー記録をもっていたジョージ・シスラーの墓参をしたという逸話である。オールスターがセントルイスで開催されたときに墓まで出向き、跪き深々と頭を垂れた。その写真をシスラーの孫が見たとき、心の底から湧き上がる感涙にむせぶようであった。その映像を見たイチロー自身も、「こういうの弱いんですよね」と言って眼に涙をためていた。
偉大なる記録を越える。その志の奥底に、他者への尊敬と人間としての真心があった。これぞ偉大なる志と言えるであろう。
その後は、年末に録画しておいた「龍馬伝」総集編を4部連続で観た。「私心があっては志とは言わぬ」という言葉が新たに反芻され、龍馬はもとより、幕末に志を持って生きた個々の人々への思いが新たに感じられた。年末に京都を巡っていたので、その感覚も新鮮な中、改めて龍馬の生き様が感じられ、高知や長崎にも赴く意欲に駆り立てられた。
かくして、テレビ番組と同化する夢。現代の英雄・イチロー。幕末の英雄・坂本龍馬と、偉大なる志を新たに噛み締めて、2011年卯年に跳躍への気持ちが整った。
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