西洋コンプレックスを超えたのだろうか?
2022-06-18
イチロー・ショーヘイらの快挙でされどどこか「追随」している意識はないか?
「パン」はお洒落なのか?「ごはん」こそ優秀な食糧だが
NHKEテレ「短歌」の笹公人さんの今月の回「パン」を、見逃し配信でやっと観た。テーマは「パン」で身近な「主食」として楽しい歌が多かった。優秀賞一席になった歌は、「この屑はかつて立派な(西洋語の)名前だった。」という趣旨で、笹さんの評が「(他の歌に比して)西洋コンプレックスを超えていてよかった。」というものだった。「バケットを持っている自分の姿が欧州の街にいるようだ」という趣旨の歌もあり、それはそれで大勢が納得する歌だが笹さんの批評眼の深さを学ぶことができた。「パン」または「ケーキ」の名前一つでも、我々は正確には理解できないようなフランス語などの名前に惹かれてはいないだろうか?時折、ケーキのショーケースを眺めて注文する際に、その当該商品の「名札」のカタカナを意味も度外視して一文字ずつ読む経験があるだろう。あまりに長かったりすると「カタカナ」が多少前後した発話になり、お店の人に言い直されたりもする。フランス語など欧州言語を学んだ人ならまだしも、多くの人が英語を学んでおり、まだ英語スペルならば語源も推測することができそうに思う。明治時代の開国以来、僕たちはこのような「西洋コンプレックス」の中で生きている。深刻な小麦などの食糧不足が叫ばれる中、今こそ朝食から「ごはん」を食べてこそ食料自給率が低いこの国を救う気もする。
それでも野球界ではイチローがMLBの歴史を100年近い時を超えて塗り替え、さらにショーヘイがMLBの野球にベーブ・ルースへの原点回帰のような革命をもたらした。もちろんWBCの2006・2009の2連覇や五輪優勝など、40年前では考えられなかった米国代表に勝つ力もつけた日本野球である。さらにはテニス界では言語の融通さも獲得した選手らが活躍し、バスケ界などでも身長差をもろともしない選手の活躍などが目立つ。ただこうして「言語」や「身体」の差に注目することそのものが、「西洋コンプレックス」なのだと思うこともある。会議などで使用される言語もそうだ。「ドラスチック=(社会の変化や政策などが)徹底的で過激なさま」「コンフリクト=意見・感情・利害の衝突。争い。論争。対立。」などが思い浮かぶが、「猛烈・激烈。徹底的」とか「衝突。葛藤。闘争。」などでは駄目なのかと思うことがある。「コンフリクト」などは「IT用語」であり、「コンピューターで同時に同じファイルやメモリが競合して使用され、システムダウンの要因にもなる。」と辞書に見える。こうなると高齢者用に全て日本語表記をした家電やスマホを思い出す。英語教育経験の多寡にもよるのだろうが、外来語依存の日本語の未来を危うく感じる時もある。明治時代は西洋諸外国語を翻訳するために、多くの「明治漢語」が開発された。その漢語を使用していた部分にそのまま諸外国語の単語を使用しやすいという、言語的特性も大きな要因だろう。「猛烈」よりも「ドラスチック」なのか?ふと気象予報は「猛烈」を使用していたなどと気づかされる。
趣旨が本当に公平に正確に伝わるかどうか?
明治時代の西洋に対応した努力を見直すべきところも
「ライス」ではなく「ごはん」いや「めし」とメニューにあった大学時代の店を偲ぶ。
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